今年の1月25日、ツイッター上で唐突に恋人の存在を明かしたことで一躍時の人となった川本真琴。「だ~れかな~ だ~れかな~ いったらまじでおこられるっす。
やふートップっす。 やべっ!」と意味深なツイートをしたが、2月2日にはその「誰か」がお笑い芸人の狩野英孝と判明。それだけでも衝撃なのに、狩野には別に新たな恋人が存在することまで発覚したからさぁ大変!

ベッキーの不倫騒動や清原の覚せい剤所持・使用による逮捕と、連日大賑わいのワイドショーや週刊誌に新たな燃料が投下されてしまった。
夢見る少女のようなツイートを連発した彼女もすでに42歳。……で、川本真琴ってそもそも誰だっけ? となった方々のためにも、彼女がミリオンセラー歌手だった20年前を振り返りたい。

デビュー1年、ファーストアルバムでミリオンセラー!


1996年5月発売のデビューシングル『愛の才能』、1996年10月発売の2nd『DNA』ともに30万枚超えのスマッシュヒット。翌97年3月の3rd『1/2』はアニメ『るろうに剣心』のテーマ曲効果もあり、80万枚弱の大ヒットと、デビューから順調にキャリアを重ねて行った川本真琴。


当時は『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』を始め、トーク重視の音楽番組が人気となっていた。
それらの番組がこぞって、彼女の掴みどころのないキャラクターをクローズアップ。アイドル的ビジュアルの不思議系シンガーソングライターとして、広く人気を集めて行く中、1997年6月には、これらのヒットシングル3作を収めたファーストアルバム『川本真琴』をリリース。
見事初登場1位をマークし、ミリオンセールスを記録。デビュー1年でトップアーティストの仲間入りとなったのだった。

自他ともに認める「変な人」!?


1996年12月放送の『TK Music Clamp』では、「自分のことを3/4好き」と言う彼女に対し、司会のSMAP中居が75%ですね? と確認すると、「あ、でも78(%)ぐらい」と妙に細かく刻んで即答。
「私よく変わった人って言われるんです」と堂々宣言する片鱗をのぞかせ、カッコいいとは何か? の問いには、「カッコいいは、思うことなんで。
例えば、劇とか歌でもいいんですけど、それを見た後にその人が、『あぁ、今日はこれ見てよかったな』って幸せな気分にさせてくれた人がカッコいい人なんですよ、私の中で」と、独特の感性を披露している。
狩野英孝のネタも「あぁ、今日はこれ見てよかったな」と幸せな気分になったのだろうか?

メルヘンとメンヘラの間を行き来する川本真琴ワールド


この時点ではまだ2曲しか発表されていないが、その後に続くどの曲にもこの独特な感性や言語センスは多分に発揮されている。
『DNA』では「身体なら1ッコでいいのに」、『1/2』では「境界線みたいな身体がじゃまだね」という歌詞が示すように、ともに「彼氏と私の2人でひとりの人間になりたい」的な内容の恋愛ソング。
メルヘンとメンヘラの間を行き来する川本真琴ワールドの真骨頂だが、それでも、その見た目の印象がメルヘン側に留まらせていた気がする。

当時22歳の川本真琴は、ショートカットが似合う整った顔立ち。今で言うと、NMB48&AKB48の山本彩と蓮佛美沙子を足して、ガダルカナル・タカの奥さん、橋本志穂で割ったような顔。
……よりイメージするのが難しくなった気もするが、ともかく、キュートなルックスだったのは間違いない。
常に落ち着きのない小動物的なキョドり具合や、早口でまくしたてるアニメ声も、「可愛い変な人」キャラの彼女にとって、マイナスではなくプラスの個性となっていた。

川本真琴は絶対音感の持ち主であり、作詞・作曲のセンスも天才的。「愛の才能」はともかく、音楽の才能があるのは間違いないが、天才ゆえのムラっ気と言うべきか、現在はインディーズに身を置いて細々と創作活動を続けている。
そんな中での今回の騒動、当時のファンとしては「大事な言葉は 言っちゃダメなの by『愛の才能』」を思い出していただきたい次第なのである。
(バーグマン田形)