みなさんは楠田枝里子をご存知だろうか。底抜けに明るいキャラクターとハイトーンボイスが魅力の彼女。
日本テレビアナウンサーからフリーに転身後、90年代は「なるほど・ザ・ワールド」や「世界まる見え!テレビ特捜部」などのMCとして活躍していたが、最近はテレビでお目にかかることが減っている。
視聴者の中では半ば「忘れられた存在」になりかけている彼女だが、本人はいたってマイペースに趣味と実益を兼ねてチョコレートを追求し続け、ついに「アンバサダー」の地位を確立。無類のチョコレート通ぶりを惜しみなく発揮する楠田枝里子に、再び熱い注目が集まるかも? チョコレート通・楠田枝里子の軌跡を辿る。

高カカオチョコレートブームの火付け役だった楠田枝里子


「カカオ成分70%以上のチョコレートは、健康維持やダイエットに効果的」という知識は、ダイエットを志す者であれば知らぬ人はいない一般常識ではないだろうか。テレビや雑誌などのメディアで続々と取り上げられ、高カカオチョコレートブームとして世を席巻したことは記憶に新しい。その出処がどこなのかなど気にする間もなく刷り込まれていたが、実はこの概念を広めたのは、何を隠そう楠田枝里子なのである。

楠田枝里子の勧める「チョコレート・ダイエット」とは?

 
2004年出版の著書『チョコレート・ダイエット』には、本人が実践しているというダイエットメソッドなどが詳しく書かれている。基本的にチョコレートは糖分が多く高カロリーなものだが、原料となるカカオには栄養素が豊富。
おりからの赤ワインに含まれるポリフェノールの効能に注目が集まる中で、カカオポリフェノールにも瞬く間に熱視線が注がれるようになったことは説明の必要がないだろう。
しかし良い成分が入っているからといって、脂質もエネルギー量も高めのカカオにダイエット効果が期待できるとはどういうことか。楠田枝里子が実践しているのは、ただチョコレートを食べれば良いというのではなく、1日50gを目処に食前に食べるというもの。ひとかけらのチョコレートが満腹中枢を刺激して、食べ過ぎを防げるのだとか。この手軽さから、「ダイエットはしたいけど甘いモノは我慢したくない!」という女子を中心に支持されるようになる。

チョコレートへの飽くなき探究心とショコラティエとの交流


2011年発刊『チョコレートの奇跡』では、前作よりも詳細にチョコレートの魅力に迫っている。著書の中身は、彼女にとって「神の食べ物」であるチョコレートのあらゆる効能について、12人の専門家との対談形式で紹介。
カカオポリフェノールなどのカカオ含有成分がもたらす効能を分かりやすく説明しているので、読み物としても面白い。
さらに、世界を魅了するショコラティエ(パティシエ)との親密さをうかがわせる創作秘話なども描かれており、チョコレートマニアならぜひ読んでおきたい内容となっている。

ショコラアンバサダーに就任した楠田枝里子


そして今年、楠田枝里子は世界の名だたるチョコレートが集う祭典「サロン・デュ・ショコラ2016」のショコラアンバサダーに就任。1月12日放送の『マツコの知らない世界』(TBS)にも登場し、チョコレートへの熱い思いや有名パティシエの紹介、本年のサロン・デュ・ショコラの魅力などを余すこと無く伝えた。
特にピエール・マルコリーニへの取材の様子は日頃からの交流を思わせ、彼女のチョコレートへの造詣の深さを目の当たりにした気分。新作チョコレートを求めて、本場パリまで何度も足を運ぶバイタリティにも恐れ入る。


画面に映る彼女の姿はハツラツとしていて美しく、ただただ感服するばかりだが、その体型維持に役立っているのはもちろんチョコレートであると名言。楠田枝里子が仕掛けた高カカオチョコレートブームはまだまだ続きそうだ。


※ 昨今、アメリカの科学ジャーナリストが「チョコレートには、減量効果を促進し維持する効果がある。」と発表した論文はデタラメであるという事実を公表。チョコレート=ダイエット効果があるとは名言できないので、実践する際は注意が必要
(chensuik)
チョコレートの奇跡