5月18日、女優の浜木綿子がフジテレビ系の情報番組『ノンストップ!』の単独インタビューに応じて、話題となりました。浜といえば、俳優・香川照之の実母としても有名。

子を想う親の気持ちというものは、永遠に変わらないのでしょう。この日も歌舞伎界の新参者として奮闘する、50歳の愛息を案じる発言を、度々繰り返していました。

そもそも、香川が歌舞伎役者を志したのは、浜の元夫であり、実の父・市川猿翁の存在があったから。1歳の自分を置いて家を出ていった父親を、照之少年はずっと心に想い続けていました。それには、母から「あなたのお父さんは“市川猿翁”ただ一人」と教えられてきた、教育の賜物でもあったのでしょう。
やがて大人へと成長し、25歳の時には意を決して、猿翁の公演先まで押しかけたこともあります。
その際は冷たくあしらわれるも、以後、何度も父の舞台に足を運んだ照之。その想いが結実して猿翁と和解することとなり、今では「市川中車」の芸名を拝するにいたったのです。

父と同じように二股していた香川照之


かくして名実共に、親子として歩みだした2人。しかし元を辿れば、こうした照之の苦難は、猿翁が愛人の元へ出奔したことをきっかけに起こっています。猿翁は12歳の時からの初恋相手、女優・藤間紫への想いを断ち切れず、不倫交際を続けた後、妻と幼いわが子を捨てたのです。
その上、時を経て訪ねてきた息子に対し「僕はあなたの父ではない」「二度と会うことはない」と語ったといいます。照之の立場から考えると、女手一つで育ててくれた母を苦しめた猿翁に、文句の一つや二つあってもいいのではないかとも思います。


しかし、血は争えないもの。堅実かつクリーンなイメージの香川にも、実は猿翁と同じように、妻となるはずだった女性を捨てた過去があるのです。

香川照之、結婚する直前まで別の女性と交際していた


香川は1995年12月に、元・日本航空国際線CAの智子夫人と結婚。以降、特にスキャンダルらしいスキャンダルもなく、仲睦まじい家庭を築いています。2人の子宝にも恵まれ、長男・政明は五代目市川團子(だんこ)として共に歌舞伎界デビューするなど、公私共に順風満帆といった印象です。
けれども、この現夫人との婚約は当時、決して素直に祝福される類の出来事ではありませんでした。

何故ならこの時、香川には長らく付き合っていた別の恋人がいたからです。
彼女の名は、冴木杏奈。タレント兼タンゴ歌手の女性でした。2人の交際はかなり前から公になっており、一時は婚約関係にあったとされています。冴木が所属していた事務所を退社したときなどは「いよいよ結婚秒読みか?」と思われていたのですが、ほどなくして2人は別れてしまうのです。

香川照之のあまりに急すぎる結婚発表 世間はバッシング


その破局後、すぐに智子夫人との結婚を発表したため、世間はこう思ったわけです。いくらなんでも急すぎる、時間軸的におかしい、と。
メディアではたびたび「二股交際では?」と噂され、バッシングの対象となりました。
しかも、香川はこの件について釈明したわけではありません。どちらかというと、マスコミの取材を恐れ、逃げるような姿勢を示していたために、非難の声はさらに強まっていったのです。

このように、意外とゴタゴタしていた香川照之の結婚当時。母・浜曰く、歌舞伎役者としての照之は「若い頃の猿翁さんにそっくり」とのことらしいですが、二股をかけるDNAまで似ていることを、彼女はどのように思っているのでしょうか……。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonより幻の翼 (百舌シリーズ) (集英社文庫)