6月20日。東京都知事として最後の登庁を果たした舛添要一。
政治資金の不正使用が公になってから約1ヶ月。世間のバッシングなど屈しての辞任劇となったわけですが、一部メディアでは早くも「次の都知事」に関心が向けられています。
現在、立候補が噂されているのは、橋下徹・前大阪市長や事業仕分けで時の人となった蓮舫、さらには池上彰や古舘伊知郎など、いずれ劣らぬ錚々たる顔ぶれ。中でも最有力候補とされるのが、東国原英夫です。

「タレントとして5階級UPした」。かつて、宮崎県知事に当選したばかりの東国原を、島田紳助はこう評しました。
何ともボクシングフリークの彼らしい喩え方。紳助の言うとおり、かつて「そのまんま東」だったこの男の成り上がり方はかなり急激。旬の過ぎたコメディアンから、おらが街を救おうと立ち上がった救世主的国士へと早変わりしたその転身劇に、世間は驚嘆したのです。

早稲田大学での学びが原点 東国原英夫の政治家への道


思えば、彼の立身出世は、2000年の早稲田大学第二文学部入学から開始されました。その昔、「ツーツーレロレロ」というコンビで、関東の大学をこき下ろすコントを披露していた東国原。
しかし、大人になってから好きになった読書を通して「自分には本を読むための基礎的な素養が欠けている」と痛感し、自身の好きな作家が多く卒業していた早稲田大学を志したといいます。第二文学部で学ぶうち、政治に興味を持ち始め、2004年の卒業翌月には、政治経済学部に改めて入学。

東国原と同時期に早稲田の政経で学んでいた筆者の友人によると、彼は非常に寡黙な学生だったとのこと。他の生徒とつるむことなく、黙々と勉強に励んでおり、ある種、近づきにくい雰囲気だったといいます。

AV女優、19歳の看護師とも浮気していた東国原英夫


やはり、大学をこき下ろすコントをしていた彼のこと。モラトリアム期間を謳歌するだけの無策な大学生を嫌悪し、自らの目的を果たすために一線を引いていたのかも知れません。もっとも、彼は大学生になる前の専業タレント時代、そこら辺の大学生なんかよりも、はっちゃけた不祥事を起しているので、あまり、蔑視できないはずですが……。

特に世間から批判されたのが、女癖の悪さ。数ヶ月前、「不倫しまくってるのは知ってた。
脇が甘い!」と不倫騒動で話題となった乙武さんに怒りをあらわにしていた東国原ですが、彼の脇の甘さも相当なもの。
遡れば、1990年、女優のかとうかずこと再婚後、すぐにAV女優と浮気。さらに5年後には当時19歳の看護師とも不貞行為を働き、テレビ番組内で「公開土下座」をし、妻に詫びていました。

少女への淫行疑惑で、5ヶ月間の謹慎を余儀なくされる


最も大きな騒ぎとなったのが、1998年。都内にあるイメージクラブでの16歳少女に対する淫行疑惑が持ち上がったときです。本人は「18歳未満とは知らなかった」と述べたものの、これまでの前科によりメディアから激しいバッシングに見舞われます。

結局、逮捕はされませんでしたが、世間的なイメージの悪化は免れず、5ヶ月間の謹慎処分を自らに課した東国原。妻・かとうがマスコミへ謝罪文を送るという「乙武さん騒動」同様に、性的スキャンダルの火消し役を女房が務めるという、男としてはかなり情けない顛末を迎えていました。

なお、この淫行騒ぎによる謹慎期間中に読書の魅力を知り、東国原は大学進学を決意したとのこと。
災い転じて福と成したわけですが、政治家になったあとも、ナンパした20代女性との火遊び、ネイルサロン店長との不倫など、女性スキャンダルに事欠かない彼。仮に都知事に当選したとしても、脇の甘さをどうにかしない限り、都政を「どげんかする」ことは不可能とも思われますが、果たして。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonより東国原流人生相談―あなたの悩みをどげんかせんといかん