今や、ネットで検索すれば簡単にアダルト画像・動画が閲覧できる時代。親にバレないよう、夜な夜なこっそり深夜番組を視聴する……なんていう文化は、中高生の間ですっかり廃れてしまっていることでしょう。


思えば、今から20年以上前。テレビの深夜帯は"エロ番組"の宝庫であり、バカバカしくも個性的な企画が次々と実演されていたものです。

『ロバの耳そうじ』もそんな記憶に留めておきたい、愛すべきエロ番組の一つ。放送されていたのは、1994年10月3日から1996年3月28日まで。テレビがまだ、ギリギリアングラでいられた時代です。

『11PM』『EXテレビ』の流れを組む、『ロバの耳そうじ』


『ロバの耳そうじ』の放送局は日本テレビ。同局の同時間帯では、これまで『11PM』『EXテレビ』という伝説的な番組が放送されていました。

前者はいうまでもなく、お色気番組の元祖とでも言うべき存在。後者は、オールジャンル的なバラエティ番組だったものの、高視聴率を獲得するのは、決まってお色気回ばかり。

視聴者が同枠に「エロ」を求めているのは、火を見るより明らかでした。ということで『ロバの耳そうじ』は、今まで以上に激しくエロを追及する番組となったのです。

「大股開きニュース」が大人気に


番組でとりわけ人気を博したコーナーが、「ローバー美々の大股開きニュース」です。ローバー美々……。この名を聞いてピンとくる方は、おそらく30代後半より上の世代でしょう。


もともと『夕やけニャンニャン』の「ザ・スカウトアイドルを探せ」をきっかけに芸能界入りした彼女は、長らく不遇なときを過ごした後、このお色気番組に拾われたのです。

コーナーの概要は読んで字のごとし。ニュースキャスター役のローバーが、まじめにニュースを読んでいるかのように見せかけて、実はデスクの下で股を開き、ふんどしに書いてある何らかのメッセージを見せるというもの。
「来る者拒まず」「FAX番号 03-5276-××××」など、バリエーションはさまざまでした。

ちなみに、現在のローバーは、会社員とタレント活動を並行する「セミリタイア」的立場を取っているといいます。

生放送中に秘部が露わになるハプニングも


もう一つの人気コーナーは、「チチダスmimiのどこでもイッちゃう天気予報」。これは当時セクシー女優だった水原美々が、バストトップを露わにしながら天気予報をするという企画。


このコーナーでは一度だけ、生放送中にも関わらず、大事なところが一瞬露わになってしまったことも。さすがにこの時ばかりは、「見えちゃったかもしれな~い」と半泣きでした。

「低俗番組」として常に批判された


他にも、パチンコ玉数個をお尻の穴に挟んだまま数日間生活し、ヒップは引き締まるのかを女性タレントで検証したりと、とにかく突き抜けてくだらなかった『ロバの耳そうじ』。

当然、世間からの批判も多く、日本PTA全国協議会などからは「超ワースト番組」として常にバッシングの対象となっていました。
しかし、激しい逆風に晒されながらも、1年半もの間、上記のような破廉恥かつバカバカしい企画をやり続けられたという事実に、改めて今の地上波テレビとのギャップを感じずにはいられません。
(こじへい)