もはや日本の警察の手に負えない!!? 「なりすましウイルス」捜査の現実

2012年10月23日 21時23分 (2012年10月29日 17時54分 更新)
「なりすましウイルス」に感染したPCから犯行予告が繰り返された一連の事件で、警察に逮捕された4人が冤罪だったことが確定した。このうち無実のはずの2人が犯行を「自供」しており、自白の信憑性が揺らぐ大問題となっている。

神奈川県警の誤認逮捕のケースでは、県警サイバー犯罪対策センターが、サイトにアクセスしてから約2秒で犯行予告が書き込まれていた点について「人の手で書き込むことは不可能」と指摘。「第三者が関与した可能性がある」ことを捜査を担当した保土ヶ谷署生活安全課に伝えていた。にもかかわらず、同課はIPアドレスを割り出して犯人を特定するという手法に固執し、全く聞く耳を持たなかったようだ。

「真犯人」からは報道機関などに犯行声明メールが届けられ、少なくとも5人のパソコンを遠隔操作し、13件の犯行予告を実行していたことが分かっている。警察が逮捕した4人が全て誤認逮捕だったのだから、これは前代未聞の冤罪事件といえるだろう。逮捕された人たちは生活に支障をきたし、会社を退職したり大学をやめた人もいる模様だ。

真犯人と思われる人物は弁護士の落合洋司氏にもメールを送っており、落合氏のサイトで全文が公開されている。その中で「真犯人」は犯行動機について「『犯行予告で世間を騒がすこと』『無実の人を陥れて影でほくそ笑むこと』などではなく、『警察・検察を嵌めてやりたかった、醜態を晒させたかった』」と明かしている。

この目論見にまんまとハマり、大失態を晒した警察は、犯人の追跡に躍起になっている。しかし、犯行には複数の国のサーバーをまたいで情報を暗号化するソフト「Tor(トーア)」が使われており、捜査は困難を極めている。同ソフトは元々、米海軍が開発を支援したと言われている。国家機密情報の漏洩で話題になった「ウィキリークス」への投稿にも利用され、あのFBIですら手を焼いていた。遠隔操作の可能性にすら考えが及ばなかった日本の警察が解析できるようなシロモノではないだろう。

ネットでは手も足も出ない状態の捜査当局は犯行声明メールに注目し、「文章のクセ」などから犯人像を推察していく方向だというが、トンデモない話だ。そんなことをすれば、独断と偏見でさらなる誤認逮捕が生まれるだけだろう。

今回は犯人がたまたまウイルスの痕跡を残し、事件後に犯行声明を出したため、逮捕者の無実が立証された。しかし、犯人が何の痕跡も残さず、犯行声明も出さなかったとしたら、一体どれだけの人たちが警察のデッチアゲで犯罪者にされていただろうか。今回の事件は、ネットユーザーなら誰でも犯罪者に仕立てあげられる可能性があることを証明したと言えるだろう。(佐藤勇馬)

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