写真のストラップについているのは、身の半分がそがれた「鮭」。なんとこれ、近代絵画のパイオニア、高橋由一の代表作『鮭』をモチーフにしたものなのだ(まだピンと来ていない人も、学生時代の美術の教科書を開けば思い出すはず)。
「名画をストラップに」という発想はごく普通だが、それにこの「鮭」とはナイスキャスティング! もとの絵のシンプルな構図はくずさず、しかも鮭の口と金具とのつながりぐあいも妙にリアルで、なにより絵画の生々しさを殺さぬ精巧なつくりが素晴らしい。さすが芸大!?
ちなみにこの美術館では6月20日まで「再考:近代日本の絵画 美意識の形成と展開」展が開催されていて、ホンモノの絵画の『鮭』も一般公開されている。名画とストラップ、両方の『鮭』を堪能するチャンスだ。(矢部智子/アンテナ)