不思議な外観を持つこの建物、見かけたことはおありだろうか。銀座八丁目、汐留も目と鼻の先という好立地に建つ「中銀カプセルタワー」。私は以前、友人の運転する車で首都高速を走っていた際、この建物が突然視界に飛び込んできてその奇抜なたたずまいにショックを受けた記憶がある。柱の周りにポコポコとブロックをはめ込んだような見たことない作り。なんとも気になったので行って見ることにした。
関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉をおそるおそる開き、受付の方に内部を見せてもらえないか、とたずねると、残念ながら「今は見せてないんです」とのこと。外から窓越しにモデルルームを覗けるとのことなのでそちらへ。
丸い窓に顔を押し付けると、これはすごい! まるで宇宙船のよう。
出入り口を入って右手にユニットバスらしき空間。奥にはベッドがあって、今私が覗いている丸窓。ベッドの枕元には電話やラジオのようなものがはめ込まれている。それだけの室内。これはカッコいい! ちょっと住める自信はないけど…。
調べてみると、この建物は建築家・黒川紀章の代表作で、「世界で初めて実用化されたカプセル建築」とのこと。1972年に完成したらしい。工場で製作された「幅2.3m×奥行き3.8m×高さ2.1m」の大きさのカプセルを鉄筋コンクリートのタワーにボルトで接続するという作りになっているため、カプセル自体の取替えも可能だという。単身者用の住居・書斎として設計されたが、カプセルを連結して家族用にすることも計画上は可能だそうだ。
増やしたりつなげたり取り替えたりと自由自在。なんて未来なアイデア! 子供の頃のブロック遊びがそのまま現実になった感じである。
受付の方に家賃をたずねると「6万5千円ぐらいじゃないですか。」とのお答え。銀座の一等地でこのお値段。気になった方はぜひ一度見に来てみてください。(スズキナオ)
「中銀カプセルタワー」
住所:中央区銀座8−16
