「ボケない」というボケ? 高田純次ゴルフ番組
純ちゃんといえば、やっぱりこれ? 「5時から男」のグロンサン。
どんな場面でも、どんな大物相手にも、常にいいくらかげんなボケをかまし、相手を脱力させてしまう、キングオブボケ・高田純次。

「平成の無責任男」とか「芸能界1いい加減な男」とも言われる彼のボケっぷりは今も衰えを見せず、ちょっと前に『うたばん』に登場したときにも、司会の石橋、中居という達者なトークの二人を狼狽させ、絶句させるほど、奔放で支離滅裂なボケを炸裂させていた。


そんな高田純次がボケないシーンを、これまで一度だけ見たことがあった。それは千代の富士の断髪式だ。
おそらくテレビの前の視聴者みんなが「いつボケるんだろう」とワクワクして見守るなか、堅い表情と動き、心持ち充血した目で登場した彼は、終始真面目に振舞い、ボケ一切なし。依頼した千代の富士すら、心の中で舌打ちしたのではないかと思うほど、「フツウの人」だったのである。
この仰天の肩すかしっぷりを「新しいボケ方なのかも」と、そのときは解釈し、「幻の不発ボケ」として記憶にとどめておいたのだが、実は、ある番組では毎度毎度、披露しちまっていることを発見した。

『金子柱憲・高田純次ゴルフの王道』である。
今さらで恐縮だが、これは、1998年からテレビ東京系で、毎週土曜の午前中に放送されている番組。
番組HP上には「グリーンせましとくりひろげるギャグ満載のゴルフ番組」とあるのに、ビックリするほど、お得意のボケがないのだ。
9月23日のゲストは、高田純次と「同級生」という寺尾聰。寺尾が「同級生には負けられないからね!」と、親しげにトークのパスを何度も出しているにもかかわらず、高田は何も聞こえないようにスルーを連発。

「黙っていたら結構イイ男なのに」と長年言われてきた彼だが、真剣すぎる表情で、終始無言でゴルフをしている姿は、まったくシャレになっていない。
黙ってればバタ臭いイイ男。
だから、なんだというのですか。
前半の快調ペースから一転、パットを失敗しまくったオイシイ場面でも、
「ココだ! とうとうボケが出るぞ!」と期待していると、
「すいません……」と肩を落としただけ。

調子が上がってきたときも、何かやってくれるかと見ていると、小さなガッツポーズが出るのみだった。そして、そんなフツウのリアクションにかぶせるように、ムリムリな感じに「男前だ!」というバラエティ的な大仰なテロップが流れる。
おそらく番組制作側の狙いとしては、こういうとき、調子にノッて「純次ダンス」ぐらいして欲しかったのではないだろうか。なのに、高田純次の目には、「ゴルフ」「勝負」しか見えていないようで……。


「全部肩すかししてみる」というのが、新しいボケ方なのか。今後の展開も気になっていたところ、なんとこの番組、9月末に終了してしまうのだという。
今まで見たことのない高田純次を見られるのは、つまり9月30日(土)の最終回、あと1回だけ!
放送エリアの純ちゃんファン、お見逃しなく!!
(田幸和歌子)