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雪の降らない「初冠雪」、これいかに?

(上)山頂西側。霧氷がびっしり。(中)拡大するとこんな感じ。「エビのしっぽ」と呼ぶ。(下)中腹では紅葉と霧氷のコントラストが美しい

10月も下旬となり、山々から初冠雪の便りが届くようになった。ちょっとウンチクをたれると、「初冠雪」とは、山に降った雪がふもとの町から「初めて見えた」とき。雪が降っても、山が雲に隠れて見えなかったりすると「初冠雪」にならない。この季節、飲み会でちょっと使えるネタかも。

さてさて、10月8日、長野・山梨県境の甲斐駒ヶ岳(2966m)に登った筆者。雨は前日上がっていたが、一面の霧、そして台風並みの低気圧による強い風。寒いよー。山頂付近は写真のように真っ白だったが、実はこれ、雪ではない。登山者たちが俗に「エビのしっぽ」と呼ぶ霧氷(むひょう)が一面に付いたもの。低温、濃霧、強風の条件が揃ったときに、岩や木に霧が凍りついて、風上に向かいキョキニョキと成長する。前夜からの強い西風で、西側斜面にびっしり付いたらしい。何度も言うけど、これ、雪ではない。

ところが! ネットで翌日付信濃毎日新聞ニュースを見てびっくり。「8日、南ア・仙丈ヶ岳で初冠雪を観測」のニュースが! 仙丈ヶ岳は甲斐駒ヶ岳のすぐ隣の山。標高も大体同じ。午後から天気が回復して、ふもとの飯田から白いものが見えたらしい……違う、あれは雪じゃないんだ、雪じゃないんだ、行った本人が言うんだから間違いない……心の中でそう叫びながら、気象庁天気相談所に電話を掛けた。

「初雪の季節に山頂全体が白っぽく見えれば、定義上、それが雪でなくても『初冠雪』ということになります」
えっ? そうなの? 霧氷でも?
「はい。山頂に人が常駐しませんので、雪かどうかは確認できないのです」

なるほど、そうなの。心の叫びは治まった。新聞報道は正しかったのだ。しかし、雪が降らずに「初冠雪」が観測されるのは、かなり珍しいことではないかと思う。残念なのは、気象庁飯田測候所が10月から無人化され、初冠雪の観測が正式なものでないらしいこと。

ちなみに「初雪」の方は、人が常駐する場所でしか観測しないため、こういうことは起こらないそうだ。と最後にもうひとつウンチクを。富士山では真夏に雪が降る。今年の8月12日にも雹(ひょう)が大量に降って「初冠雪か?」と話題になったが、よく考えると前シーズンの最後の雪なのか、今シーズンの最初の雪なのか分からない。気象庁の資料によれば、「一日の平均気温が最も高かった日」以降に降るのが初冠雪となるそうで、今年の場合は8月20日以降。富士山の今年の初冠雪は、10月7日と記録された。
(R&S)
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2006年10月23日 00時00分

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