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小さな音楽家が集う、長野の小さな学校のフシギ

見た目は、ごくフツウの素朴な小学生なのに、演奏の腕前は相当なもの。演奏を聴いて以来、いてもたってもいられず、久しぶりに楽譜を購入してみたり。すっかり彼らに感化されまくりです。

10月28日、たまたま足を運んだ「第26回全日本小学校バンドフェスティバル予選 東海小学校バンドフェスティバル」において、思いがけない「宝物」を見つけた。

どのチームも揃いの衣装に、ピッタリ呼吸をあわせて大勢で演奏する様は見事だったが、そんななか、現れたのは、トレーナーにジーパンなど地味ないでたちの、少人数の団体。
だが、ひとたび金管の演奏が始まると、誰もが目をみはり、息をのんだ。

曲目はジャズのスタンダード『アイ・ガット・リズム』。主旋律1分程度の曲を、金管の各パート奏者たちが、ソロなどでつないでいく構成なのだが、こどもたち一人一人のスキルが、いやに高い。ノリノリのリズム感、舞台度胸の良さ、舞うように楽しそうに指揮をする先生、どれをとっても「只者ではない」趣だった。

聞くと、この「長野県上田市立西内小学校」は、金管の全国大会常連校だそうだが、もしかして、非常に厳しい練習についてこられた、わずかな子だけが大会に出るシステムなのだろうか。
強さの秘密を、校長先生に聞いてみた。

「西内小学校は、17、18年度と全国大会に行き、18年度は全国大会で『グッドサウンド賞』もいただきました。でも、それまでは県大会どまりで、東海大会に出場できたのも17年度が初めてで、『井の中の蛙だから、素晴らしいサウンドを聴いてくるつもりで、思い切ってノリノリでやってこよう』と言っていたんですよ」
実はこの成績は、近年、うなぎのぼりに築いたものだそうだが、気になる児童数は?
「全校児童は79名です。そのうち、金管をやっているのは5〜6年生全員の26名で、特別支援(特別学級)の子も含めて全員参加としています」

大会に出場する他の多くの常連校が、部活のように、選ばれたメンバーで出場となっているのに対し、ここはなんと「全員参加」とのこと。
「そもそも学校目標は、『知恵と粘りと思いやり』で、その中の一つとして、具現化したものが、全員参加の金管バンドだったんですよ」

当然、練習方法も、「厳しい練習→ついてこられるものだけで大会参加」のイメージからはほど遠く、
「基本は登校日の朝7時半から8時10分まで。特に大会前や講習会があるときは、土日練習があることもありますが……こどもたちは本当によく練習してますよ」と、実にほのぼの。

そんな彼らには、近隣などからの演奏依頼が多く、土日を中心に、年間20数回は演奏会に出向いているのだそう。

ところで、大会で演奏した『アイ・ガット・リズム』の選曲理由を聞くと、校長先生はこう語った。
「どうしても過疎化している学校ですから、大集団の迫力に匹敵するには、一人一人のクリアなサウンドを響かせるしかないんですよ。ジャズなら、ソロを活かせるから」
ちなみに、西内小学校では、1年生が鍵盤ハーモニカ、2年生がリコーダー、4年生はアルトリコーダーといった具合に、全学年でそれぞれ毎日ハーモニーが流れているそうだ。

ソロを怖がらず、楽しそうに演奏する子どもたちを見て、最初は「子どもならではの舞台度胸か」と思った。でも、毎日音楽のなかで暮らしている彼らにとって、それはきっと全然特別じゃない、ごく当たり前に流れている空気なのかもしれない。
(田幸和歌子)
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2007年11月7日 00時00分

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