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あなたの本が世界を旅する!?

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(写真上から)
京都の「アートコンプレックス1928」内に設置されたブッククロッシングゾーン。
外国人が多く訪れる土地柄のせいか、英語のペーパーバックが多め。
登録された本には、「旅する本」マークのついたラベルとBCIDというコード番号がついている。これらのある本を見つけたら、「やあ! ボクは世界を旅しているんだよ」ということで自由に持ち帰ってOK

突然ですが、読み終わった本ってどうしてます? 本棚のスペースにも限りがあるし、定期的に古本屋に売ったり、捨ててしまっているという人も多いのではないだろうか。冷静に本棚を眺めてみると、何度も読み返す本って意外と少ないもの。そこで、本を手放す新しい方法として注目したいのが「BookCrossing(ブッククロッシング)」。

これは現在、世界中で広がりつつある「本に世界を旅させる」試み。参加方法はごくごくシンプルで、自分が読み終えた本に専用のラベルとコード番号をつけて、街中にあるカフェやスーパーなどに設置された「ブッククロッシングゾーン」と呼ばれる本棚へ置いてくるだけ。もちろん、気になった本を無料で持ち帰ることもできるし、自分が街に放った本の行方をネット上で追跡することもできるというなんとも不思議でおもしろい試みなのです。
イギリスでは公共放送BBCが支援をしていたり、アメリカでも、スターバックスなどのカフェや、ウォルマートなどのスーパーが公式ゾーンとなっていたりと、すでに暮らしの「ふつう」となっているとか。

そんなわけで先日、日本におけるクロッシングゾーンのひとつである京都の「アートコンプレックス1928」へどんな本があるのか見にいってみました! 3階ロビーに専用スペースがあり、京都という土地柄のせいか英語のペーパーバックがかなり充実。棚を眺めているだけで、どういう人がどこからこの本を持ってきたのだろうなぁ〜となんだかロマンを感じてしまった。

「ブッククロッシング・ジャパン」代表の財津正人さんに現時点での日本での反応や浸透度など聞いてみたところ、
「世界中がエリアのプロジェクトという概念があまりピンとこない方もおられるようですが、反応は大変いいです」とのお言葉。一方で、浸透度はまだまだという状況だそう。
「数字的にいいますと、現在、アメリカの会員は約20万人、日本は2300人。が、そもそもの人口比率がアメリカは3億人、日本は1億3000万人と違いますから、日本会員も6万人程度まで増えればアメリカ並みに浸透したといえるのではないかと思っています」とのこと。また、他国と日本では本への考え方、広がり方に違いはあるのでしょうか?

「これは残念ながら、開きがあるといわざるをえないようです。もちろん、アメリカ人のすべてがというわけではありませんが、“大人の読書家”という視点では、もはや日本は各国からかなり遅れているようです。街中での読書、本を持ち歩く大人の少なさにも衝撃を受けた、という話をアメリカ人からよく聞きます」

うーむ、そうなのですか……。確かに、私の周囲でも読む人はむちゃくちゃ読むが、読まない人はまったく読まないという二極化が進んでいるような気もする。読書する暇があったらTVやネット、ゲーム、マンガ、あるいは寝たい! という人も多いのかもしれませんね。

さらに、お話で印象的だったのは「ブッククロッシングを活用し、“本を持ち歩く”ことがファッション的にかっこいい! という流れをつくり出すことも私達の役目だと思っています」ということ。

というわけで、国境を超えた「本読み」ネットワークとでもいえそうなブッククロッシング。1冊の同じ本を好きだった、ということで(お金のやりとりなしに)人と人がつながっていける、アナログであたたかい試みだともいえるのでは? 寺山修司は「書を捨てよ、街へ出よう」と言いましたが、今後は「書を持って街へ出よう」が読書人の合言葉になることを祈ってます。
(野崎 泉)

「BookCrossing.jp」

2008年5月9日 00時00分

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