今の子供たちは(大人も)デジタル系のゲームに夢中のようだが、家でゲームといえばやっぱりトランプでババ抜き、七並べ、神経衰弱などなどが思い浮かぶ。子供のころ、友だちと遊ぶときはほとんどといっていいほどカードゲームだったから。
だんだん手垢がついたり、角が曲がったり、ボロボロになるまで使ったものだ。それがまた味わい深いのだ。そんなトランプを懐かしいと思う世代からトランプを使ったことのない人まで、ちょっとおかしなデザインのトランプを紹介したい。

それは、イヌのイラスト入りトランプ『PACK OF DOGS/Playing Cards』(米Inky-Dinky)で、サンフランシスコの芸術家『ジョン・リトルボーイ』さんが一枚一枚書き下ろしたユニークなイヌのイラストが描かれているのが特徴。

このトランプは従来のものと同様にスペード、ハート、ダイヤ、クローバーの4種類でそれぞれエースからキングまでの各13枚とジョーカーが2枚加わって合計54が入っている。で、そのすべてにイヌのイラストが載っているのだが、たとえばスペードのクイーンはイヌがバレリーナに扮して踊る姿だったり、腕を組んだ水兵の格好をしたハートのジャックだったりする。
つまり、絵札がすべて擬人化されたイヌになっているわけだ。

さらに、残りのエースから10まではどうなているかというと、まるで動かしたらパラパラ漫画になりそうなストーリー画になっている。ダイヤの場合を紹介すると、イヌがダイヤの形をした穴を一生懸命掘っており、それが数字が増えていくにつれて穴の数も増え、最後の10の札では10個の穴と穴から掘り当てたと思われる骨をイヌが嬉しそうに咥えているという落ち。

ほかにも、このようなショートストーリーがあるので、興味がある方は購入するとよい。筆者も同トランプを手に入れてみて、中身を出して眺めている今日この頃である。イヌは人間の心を慰めるというが、ちなみに筆者はイヌが一生懸命穴を掘っている姿になぜか心打たれたりする。
なお、ネコ好きの人には同シリーズの『KITTEN CLUB』というユニークなネコイラストが載っているバージョンをお勧めする。

トランプは歴史あるカードゲームの道具。たいていどこの家にもあると思うが、もし一組も持っていない人がいたら、最初に手にするものとしてユニークな絵柄を楽しめるトランプを探してみるのはどうか。
(羽石竜示)