以前、ホテル「東横イン」が好きな彼氏に、彼女が東横インの模型を作ってプロポーズした話を紹介したが、東横インが大好きな人は関西にもいる。先日、お二人に集まっていただき、夢の対談が実現。
東横インファンならではのあるあるトークを繰り広げた。

東横インあるある対談~東西の東横インファン工藤さん、斎藤さん御対面

※写真は、おそらく史上初、「東横イン」ファン対談。工藤考浩さん(東京在住・フリーライター)と、ちょっと緊張気味? の斎藤公輔さん(大阪在住・会社員)。手にしているのは、工藤さん(右)が東横インからプレゼントされた、東横イン時計。背後ではそんな二人を東横インが優しく見つめている!?

まずはお二人の対談の中で生まれた「東横インあるある」から。

■室内あるある
【部屋の内装が、どこの東横インも同じ】
お二人とも、全国どこに行っても東横インに泊まるという話を聞いた時、「どこの東横インも同じような感じなのに、なぜ泊まるんだろう」と思ったが、お二人によると、違いがないから落ち着くのだという。
ちなみに斎藤さんは東横インに泊まると、部屋の写真を撮っている。
東横インあるある対談~東西の東横インファン工藤さん、斎藤さん御対面
斎藤さんの東横インの室内写真コレクション

どこの東横インも内装はほとんど変わらないので、斎藤さんですら写真を見ただけではどこの東横インか分からないそうだ。
斎藤さん「写真を撮って、他の部屋と比べて、違いがないことを確かめるんです」
工藤さん「でも時々、他の東横インとは違うところがあって、それを見つけるのがまた楽しいんですよね」
「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞさん(童謡詩人)の名言があるが、まさに「みんな同じで、ちょっと違ってていい」というわけだ。
ただし、何かの建物をリニューアルして営業している場合、違う場合もあるという。
東横インあるある対談~東西の東横インファン工藤さん、斎藤さん御対面
斎藤さん「私が泊まった中で一番衝撃を受けた『大塚駅北口1』です。明らかに元マンションです。廊下から別の東横イン(大塚駅北口2、こっちも泊まりました)が見えるのも良いです」(斎藤さん所蔵の写真)

斎藤さん「マンションをリニューアルしてホテルにしてある場合、部屋にキッチンがあったり、廊下がマンションのように外にあったりします」

【シャワートイレの機種も、ほぼ同じ】
斎藤さん「どこも同じだから、水の勢いを体が覚えてしまいます」
工藤さん「使えば使うほど、どの位置に座ればいいのかも分かってきますからね」
東横インあるある対談~東西の東横インファン工藤さん、斎藤さん御対面
浴槽も同じ!「いつか家の風呂にこのソープディスペンサーを取り付けたいです」(工藤さん)


■東横インのマッチあるある
【マッチのパッケージに書かれてある『東横イン』の文字の書体は統一されてない】
工藤さん「なぜそこは統一されてないんだろうと思うところですが、そこがまた東横インの面白いところなんです」
東横インあるある対談~東西の東横インファン工藤さん、斎藤さん御対面
確かに、この「東横イン」の書体も看板の書体とは違う(写真は斎藤さん所蔵)


■名前あるある
【ホテルの名前に地下鉄の出口の名前が入っている】
工藤さん「『東横イン日本橋三越前A4』はA4出口そばにあるからこの名前がつけられていますが、ホテルに地下鉄の出口の名前を付けるのは、おそらく東横インくらいだと思います」
地下鉄の出口以外にも、建物の名前が付いた『東横イン日本橋税務署前』『東横イン溜池山王駅官邸南』というものもある。

■設備あるある
【デスクまわりがしっかりしているので、仕事がはかどる】
二人の意見がとりわけ一致したのがこの話。
ホテルの室内で仕事をするとなると、テーブルが小さかったり照明が暗かったりすることがあるが、東横インは妙に居心地が良く仕事がはかどるとのこと。

斎藤さん「基本的に、テーブルも同じなので、どこに行っても“いつもの場所”で仕事をしている感じがあります」
工藤さん「本当に居心地がいいですよね」

■ベッドあるある
【東横インのベッドに潜り込む時は、そっと入る】
東横インのベッドメイキングはかなりしっかりとされていて、きつめになっている。ベッドに入る時はちょっと大変。
斎藤さん「いつも、隙間からそーっと入る感じですね」
工藤さん「僕もできるだけ形状を崩さないように入って、ちょっとずつ体をムズムズさせてフィットさせるようにしています」

ここからは、東横インのファンの二人ならではの「あるある」を。

■表記あるある
【東横イン』と『東横INN』の表記があるが、『東横イン』の表記が好き】
二通りの表記があるため、どちらが良いかというアンケート調査が行われたことがあるようだ。
工藤さん「やっぱり『東横イン』の方が親しみがありますよね」
斎藤さん「僕もそう思います」
公式サイトや新しくオープンするホテルの看板などでは主に「東横INN」の方が使われている。


■東横インファンあるある
【基本的に、東横インのない街では泊まろうとしない】
斎藤さんの趣味は「東横インに泊まること」だ。
「お仕事で東横インに泊まる人は多いと思いますが、プライベートでも泊まりに行きます。基本的に、東横インがないところには行きません」
工藤さんも
「気づいたら東横インの魅力に呑まれてました。僕が子どもの頃は東横インはまだなかったけど、今後『大きくなったら東横インに泊まりたい』と思う子どもが現れて欲しいと思っているくらい東横インが好きです」

■カミングアウトあるある
【人に「東横インが大好きだ」とカミングアウトした時の相手の反応が薄い】
工藤さん「カミングアウトしたところで、『あ、そうなんだ……』の一言で終わることが多いですね」
斎藤さん「東横インの関係者でもないのに、東横インばかりに泊まっていることが分かると『なんだこの人は?』という目で見られることもあります」

■韓国の東横インあるある
【日本人が韓国の東横インに泊まると朝食のキムチに感動する】
工藤さんによると、韓国の『東横イン』のキムチは「さすが本場」という感じで美味しいそうで、ツイッターで感想を書く人もいるという。ちなみに、工藤さんはツイッターで「東横イン」を検索して、東横インにまつわるツイートを読むのが日課だそうだ。う~ん、さすがにそこまでやっていると聞くと、私も心配になってくるが……。


■東横イン雑学
最後に、東横インの大ファンのお二人ならではの、とっておきのお話を。

【宮城県には「東横イン」ならぬ「東北イン」がある】
工藤さん「古川駅前(宮城県大崎市)には『東北イン』があります。もともと『東横イン』だったのですが、諸事情で『東北イン』に変わりました。ちなみに、僕が泊まった時に朝食で食べたミョウガの味噌汁が、めちゃくちゃうまかったです。ここでしか食べられません」
看板の書体は『東横イン』と同じだが、文字の色は『東横イン』が青なのに対して『東北イン』は赤。

【2015年春にブノンペン(カンボジア)にもオープンする】
工藤さんも斎藤さんも「行きたくてしょうがない」とのこと。
現存する海外の店舗としては7店め(ちなみに、国内はおよそ250店舗※2014年12月現在)。

東横インの社員なら分かるが、いちファンとしてここまで東横インの魅力を語れるなんて、話を聞いている側も感激してしまった。ちなみに、この夜、斎藤さんは『東横イン 門前仲町永代橋』に宿泊したそうだ。
(取材・文/やきそばかおる)

斎藤公輔(NEKOPLA)さんのサイト:斎藤さんは『アマゾンの箱を全種類めざして集めている斎藤さんの、地味な苦労』の記事にも登場。いろいろなものをコンプリートするのが好きである。

●工藤考浩さんのサイト『月刊 馬泥棒』:工藤さんは『デイリーポータルZ』の編集・ライターを経て、フリーライターとして活躍中。
東横インが大好きで、彼女に東横インの模型を作ってもらってプロポーズされた。奥様(やっぱりぱんつさん)が書かれた『愛する人に東横インをプレゼントしよう』(宝島社)も発売中。