先日、久しぶりに「新横浜ラーメン博物館」に行ってみた。新横浜ラーメン博物館、略して“ラー博”。
全国の人気ラーメン店が一堂に会したフードアミューズメントパークだ。どの店のメニューにも通常より小ぶりなミニサイズのラーメンがあり、なんといっても食べ歩きが楽しい。

久々に行ってみると、結構変わっていて驚いた。昭和33年の街並みを再現したノスタルジックな雰囲気はそのままだが、店のラインナップがだいぶ違う。そういえば店の入れ替わりって、どんなタイミングなんだろう? 

そこで新横浜ラーメン博物館に話を聞いてみた。
「新横浜ラーメン博物館は、“飛行機に乗らないで全国の銘店が一カ所で味わえる”というのがコンセプトです。
そのため出店している店舗が別店舗を展開されるときに入れ替わるケースがほとんどです」
新店は日頃から声を掛けている店との交渉次第。タイミングが合えば決まるという。店選びの基準は?
「私ども独自の考えで、地元に根差していて、地元から愛され続けている店舗、歴史的銘店、ラーメン業界に影響を与えた人の店舗、または影響を与えた店舗、などです」

ちなみに現在出店しているのは期間限定の「敦賀 中華そば 一力」を含む全9店舗。1994年の開業当時からあるのは「こむらさき」のみだが、1階のお土産店では過去の店舗のラーメンも販売している(お土産ラーメンを製造している店舗のみ)。

それにしてもオープンからだいぶ経つのに、相変わらずの人気。週末ということもあって、どの店にも長い列ができていた。

「開館以来14年半のあいだに、様々なラーメンのブームがありました。ブームというものは一過性です。新横浜ラーメン博物館では、“美味しい”、“美味しくない”等の主観に捉われず、普遍的な食文化としてのラーメンを紹介し続けてきました。コンセプトを変えずに続けてきた結果、みなさまに支持していただけているのだと思っております」

実はラー博は、遊園地ならぬ「遊麺知」というコンセプトも持っている。「遊」は昭和33年の町並みを舞台とした演出。「麺」は全国の銘店を味わうこと。
そして「知」とは1階の展示ギャラリー。世界初のラーメンに関する博物館だ。館内ではイベントも多く、一日中楽しめるのも人気の理由だろう。

この秋、ラー博では10月1~31日に「旬麺 第四章 第二幕 『秋麺』」を開催。今年で4年目を迎え、通算10万杯を超えた人気企画で、この秋は季節のテーマである「和え麺」を銘店8人の匠たちが創り上げるという。また去る9月3日にはラー博の向かいに「新横浜ラントラクト」がオープン。
こちらは「これからの時代に必要なコミュニケーション」という、ラー博地下と同じコンセプトを備えた深層的な癒しの施設だ。

これからラーメンがますます美味しく感じられる季節。ラーメンの旨味にどっぷり浸かる食欲の秋もよさそうです。
(古屋江美子)