浅草の緑泉寺に風変わりな夜のイベント「暗闇ごはん」が開催されている。
「暗闇ごはん」とは、文字通り暗闇でごはんを食べるというイベントなのです。
「暗闇ごはん」では、まずアイマスクを着用したまま、お座敷に座り、暗い中で挨拶をして打ち解けあったら、スタートします。一品ずつ全部で8品。順番に食事が運ばれてきます。はじめの6品は暗い中で、最後の2品は明るい中で食します。
お寺で開催されているというだけあって主催する彼岸寺の料理僧KAKUさんは、お坊さん。「ふだん、わたしたちも会社のランチタイムに時間がなく、あわてて店に入り、さっさと食べて時間がないのが当たり前だと思って不思議にも思わない。だから食べ物を大事にしてほしいと思い、はじめたんです」と、KAKUさん。
暗闇の中では、食べ方も人によってキャラクターが色濃くなって現れるのか、暗い中で恐る恐る確かめて食べる人もいれば、パクッとひとくちで食べる人も。口に入れてみてはじめてなんだかわかるので、意外性にドキドキして楽しいんだとか。
もともとKAKUさんは、学生時代からアメリカに留学し、海外で起業して働いていたというお坊さんにしてはユニークな経歴のもちぬし。日本に帰り、お坊さんになったKAKUさんは、そこでスイスで生まれたブラインドレストランという全盲の人の気持ちを体験するイベントにヒントを得たのだそう。
実際、参加してみると、「ごはん」がメインのイベントだと思っていたのに、実際はコミュニケーションの大事さが実感できるのが意外です。暗い中で、誰かと存在をわかちあう、なんだかそんな気持ちになるんです。暗闇の中で、自然とみんな、お互いよく聞こえるように声も大きくなり、見えない相手を確かめるように会話もいつもより多くなるのが不思議。ふだん、目に見えているものに頼り切っている私たちですが、暗い中なので自分の存在を確かめることが大事になるのかも。
こればっかりは、一度体験してみないとわからない不思議な感覚。…
