職場や部屋の中で、おならをするのはいいのだが、許せないのはそれを黙っているヤツである。臭いがするので「誰か屁こいた?」と聞いても、みんなが「知らな~い」とか言うのだが、そんなワケない。
「ゴメン。出ちゃいました……」と告白してくれればいいものを、ダンマリを決め込むからガッカリだ。「人間不信」と書いた手紙を机に置いて、数日間失踪してしまおうかな……。

しかし、そういった揉め事を回避できそうなビックリ商品の情報を入手した。それはセーレン株式会社が開発した『瞬感消臭』シリーズ。
このシリーズ、色々なバリエーション(パンツ、Tシャツ、巾着袋、ハンカチ、シーツ、マスク)があるのだが、他社の商品と一線を画す売りがある。
その売りとは、「すばやく臭いが消せる」こと。

この開発のキッカケはドラマだ。ある、おならのガスの臭いを研究している大学の先生の存在から全ては始まった。アメリカではおならガスについての研究が非常に進んでおり、おならを消臭する商品(パンツ、座布団など)の存在は多い。しかし、消臭効果はあるのだが、デザイン的に日常生活に適していない物が多いらしい。
そこで、先生は消臭できる布を作ってくれる日本国内の会社を探していたところ、セーレン(株)が手を挙げた。

当初は介護現場に向けて商品を開発。商品化に際しては試験等が必要なので、介護施設で実際に試験利用。3年の月日をかけて、正式に商品化に至ったという。

だが、発売してみるとリアクションは介護現場からだけではなかった。一般の方も臭いに悩んでいる人は多く、メーカーも「おならの臭いに困っている人がこんなに多いのか」と、発売して初めて気がついた。
確かに日本人はニオイに敏感な国民性。
おならをガマンして、それが腹痛につながるなんてケースまである。全くもって悪循環だ。
しかし、この『瞬感消臭』のパンツを履けば、精神的に心強い。安心するのである。

また、前述の先生によると、ストレスが溜まるとおならは出やすくなるらしい。「おならしたくない!」と気にするあまり、自らおならしやすい身体にしているとは皮肉である。
また、実際におならは、そんなにたくさん出ないとのこと。要するに、気にしすぎ!
そこで、このパンツを履けば消臭もできるし、安心もできるし、何よりだ。

この商品で救われた人は多い。こんなエピソードがある。ある学校の生徒が、非常に臭いを気にするタイプだった。そして、学校の試験期間。
あまりの緊張に「おならをしてしまうのではないか……?」と、登校すら躊躇するまでに。悩みの末、通院するほどになってしまっていた。
しかし、この生徒が『瞬感消臭』を発見。一件落着したという。
思えば、なぜか学生時代は学校のトイレで大便をすることに抵抗があった。それでは、余計におならが出てしまいそう。
それを、このパンツが救った。

そして、このシリーズが優れている点は、どの臭いにも対応しているところ。他社の消臭製品は、汗に特化したものだったり、加齢臭専用だったり。しかし『瞬感消臭』は、様々な臭いを消すことができる。
繊維に組み込まれたセラミック粒子が臭いの成分を吸収。それを金属イオンが分解するという仕組みになっている。
同社と開発者である先生が実験したところ、30秒で臭いの80%を消すという効果が実証された。

元々は、昨年7月に介護現場向けにつくられた商品だったが、発売初日に消臭パンツが完売。この反響の大きさを受け、日常生活向けのデザインのタイプを今年の4月より発売。

豊富な種類が用意されているのだが、やはり一押しはパンツタイプ。女性用の「消臭ショーツ」は5,800円(税込み)。男性用の「消臭ボクサーブリーフ」は4,800円(税込み)。
勿論、通常の下着のように洗濯をしても効果が損なわれることはなく、200回の洗濯に耐えられる。
発売は同社のウェブサイトで受け付けられている。

「おならをし合える仲になって、初めて本当の絆でつながっている」なんて言う人もいたが、「親しき仲にも礼儀あり」という昔からの言葉もある。人前でのおならを恥らう。そんな“恥”の概念も、奥ゆかしくて美しいではないか。
そんな人が人前でおならしてしまったとしても、このパンツを履いていれば安心なのだ。
(寺西ジャジューカ)