「いま、京都・鴨川の河川敷で、毎日ひたすらちゃぶ台を返してる芸人がいる」
と、耳にした。

「あれ? それ、以前もやってたよね? 『きらきらアフロ』で鶴瓶が話してた『つるせんねん』というコンビじゃ?」と思ったのだが、別人である。


今回ちゃぶ台をひっくり返しているのは、同じく松竹芸能の若手芸人「プリンセス金魚」という2人組で、今年2月24日からちゃぶ台返しを始めたのだという。

きっかけは、イベントの罰ゲームらしいけど……不思議なのは、「なぜ『ちゃぶ台』なのか」ということ。
河川敷のパフォーマンスだったら、他にもあるだろうに、どうして松竹芸能はちゃぶ台ばかり返しているのか。プリンセス金魚のお二人を直撃した。

「松竹芸能にはなかなか若手が露出できる枠がないので、自ら注目浴びようと必死なんです!! 前回つるせんねんが途中解散ということもあって、リベンジの意味もこめて」(大前亮将)

「松竹芸能は必死!」といった話は、先輩・TKOなどがよくネタにしてるけど……。前任者が途中で解散しちゃってたとは! 必死にもほどがある。
となると、ちゃぶ台返しのイメージって……?
「もちろん前任者の苦悩ですよ! 前任者のつるせんねんさんが段々顔色は悪くなるし、挙げ句の果てには解散したんですよ!! 正直、解散だけはしんように必死ですよ!!」(高道淳史)

今回の決定事項は、「365日ちゃぶ台を返し続けることか、365人集客」。ちゃぶ台の他に候補になっていたものには、毎日裸で押し合うだけの「決着のつかない相撲」もあったとか。

もうじき100日目という現在。心境の変化を聞いてみると……「まぁ1週間くらいはそれなりに楽しかったものの、日に日に、『自分何してるんやろ?』と疑問を抱くようになり、現在に至っては、ロボットの様にただただ無心で。最近そろそろ悟りが開けるんじゃないかと、出家しようかとさえ考えてます」(大前)

鴨川というロケーションで、365人なんて、あっと言う間に集まりそうなイメージもありますけど……。
「むしろ早く終わり過ぎたらしょうもないなと考えてたんですが、予想に反して全く集まらないです。
占い師さんに鴨川にはたくさんの浮遊霊がいて、毎日やかましくしてるから、霊たちが怒ってると言われ、非常に怖いです」(大前)

約100日も返し続けていると、「いまのはキマった!」みたいなこだわりも出てきそうだけど、「マイベストちゃぶ台返し」とは?
「『うす~い』と声だしひっくり返すんですが、ちゃぶ台が360度回転し綺麗にたったときです。奥義『ちゃぶ台をやみくもに返したのに奇跡的にまたたった』とよんでます」(大前)

「365人」で終了する可能性もあるが、365日やり遂げたときには、新たな奥義が生まれているかも……?

ところで、意味のないことをやり続ける苦行「ちゃぶ台返し」は、今後の芸人人生にどう生きてくるのか。
「忍耐!」(大前)
「どう生きてくるか先はわからないですが、願望は日本中の人に知ってもらいたいです!! そしてそれを機に売れたいです!!!」(高道)

今後は、梅雨に入ったり、炎天下があったりと、過酷さが増す一方だけど、興味のある方はぜひ鴨川へ!
(田幸和歌子)