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京の町家に広がるゴス空間

2009年6月12日 10時00分

町家に一歩入ると、古い薬の看板がズラリ並ぶ。

『京都の迷い方』(京阪神エルマガジン社)という書籍の中で紹介されていた、京の町家にあるという「眼科・外科医療機器 歴史博物館」。江戸~昭和にかけての貴重なアンティーク医療グッズが展示されているらしい。ゴスロリの聖地? という噂もあり、実際にどんなものかこの目で確かめてきましたよ。

昔は本当に診療所だったという町家の中は、昼間でも薄暗くて雰囲気たっぷり。なんだか江戸川乱歩の世界に迷いこんだような、ヒンヤリした空気感。ドイツ製の義眼、注射器各種、江戸時代の天狗メガネ(鼻あて付きメガネ)、さらにさらに、双子用の両サイドに吸い口のある哺乳瓶や、アンティークの「おまる」まで……。「物陰に誰かいる??」とビクッとすると、昭和40年代の人体関節模型だった。置いてある家具や医療戸棚なども書斎風の重厚なものばかりで、いやー、本当にこのまま映画の舞台となりそうな異空間でした。

案内役の小林さんという女性によると、この施設は現在、京都・桂にて「奥沢眼科医院」を営む奥沢康正さんが2002年にオープン。これらの医療機器は何年もかけて氏が蒐集したもので、現在展示している以外にもまだまだ倉庫に眠っているものがあるというから驚きです~。「医療機器というものは、どんどん進化して新しいものが出れば捨てられていく世界。古いものを目にする機会はあまりないと思いますので、医療の進歩を実感していただけたら……」とのことだった。

ところで、どういった方が見学にこられることが多いのですか? と聞いてみたところ、「どこで調べられるのか、意外と修学旅行中の学生さんなんかもこられますよ」とのこと。なるほど、近くには三十三間堂といった観光名所もあるので、立地的には訪れやすいのかもしれませんねー。その他、やはり医大生や看護学生といったその道のスペシャリストをめざす人、ほか、映画の大道具や小道具をつくる専門家が参考のためにいらしたこともあるそうで、なんかすごく納得~という感じです。

関連写真

私をビビらせた、昭和40年代頃に理科室に置かれていたという人体関節模型。
よく見ると優しい顔つき。

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ライター情報: 野崎 泉

歴史やストーリー、何らかのバックグラウンドのあるものに魅かれます。
古本、レトロ建築、喫茶などをテーマに大人の乙女道を追求中。
古本のフリーペーパー「gris-gris」の編集・発行もしてます。
編著に『東郷青児 蒼の詩 永遠の乙女たち』(河出書房新社)
サイト:bibliomania(ビブリオマニア)

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