太陽光で充電できるというauの「ソーラーフォン」。「世界初、防水機能付でソーラー充電できるケータイ」という謳い文句に惹かれた人は、けっこういるのではないだろうか。


ただし、ちょっと気になるのは、一般的な生活パターンとして「夜、寝ている間にケータイを充電→朝、充電完了したケータイを持って、出勤」という人が多そうなこと。
充電のタイミングには、世代による差があり、「若い人は電池容量が減ってから、一定以上の世代の人は使い終わったらすぐ充電」という傾向があるとも指摘されているけれど、太陽光が出ている時間帯に充電するのはけっこう難しくないのだろうか。

たとえば、オフィスで窓際にケータイを置いておくとか? 太陽光なら、会社の電気を拝借するわけではないので、本来、問題ではなさそうだけど、窓際程度で充電できるのか、また見た目的にどうなのか……という点もある。

現実的には、どのくらいの充電で、どのくらい使えるもの? KDDIに聞いた。
「太陽光があたる容量にもよりますが、お天気が良いときの場合、30分の充電で通話は2分、何もしない待ち受けは140分。60分の充電で通話6分、待ち受けは360分、90分の充電で通話は9分、待ち受けは560分ぐらいが目安となっております。
ただし、天候が悪かったりすると充電しづらくなり、曇りの場合には90分の充電で通話は2分、待ち受けは240分ぐらいです」
また、メールなどは消費が早いため、また状況が変わってくるという。

やはり室内の電気などでは充電できず、太陽光のみとなっているため、当然ながら実用性を考えるとまだまだ太陽光充電でまかなえる部分はわずかのようだけど……。
「まだ使用できる時間は短いので、従来の充電器と併用、あるいは従来の充電の一部を太陽光で負担すると考えていただくのが良いかもしれません」
そもそも、この太陽光の充電システムが生まれたのは、アンケートでのある「声」を受けてのことだったのだとか。
「アンケートでは『外出時に充電が切れてしまう』という声が多数寄せられておりました。『外出時にすぐに充電できる』ということから、切れそうなとき、切れてしまったときにわずかでも太陽光で復活できるということもあります」

外出先で切れてしまい、コンビニで充電器を買うかわりに、太陽光で一時しのぎ、ということができるわけか。いまはまだ生まれたてのソーラーフォン。
改良を繰り返すうち、未来には本当に「太陽光のみで充電可能」のケータイが登場するのを期待したい。
(田幸和歌子)