シンプルで使いやすい北欧の家具は日本でも人気が高い。いまや一過性のブームを超えて、スタイルのひとつになっているが、なぜ北欧デザインが日本で人気を集めたのだろうか?
先日、スカンジナビア政府観光局が「デンマークデザインは地球を救うか」と題したセミナーを開催。デンマークに本社を置く北欧最大のデザイン/ブランディング会社コントラプンクト社代表のボー・リンネマン氏が、北欧デザインとその未来について語った。
北欧デザインというと、まず思いつくものが椅子などに代表される家具のデザイン。いまや世界的によく知られているが、とくに日本での売れ行きが好調だという。その理由についてリンネマン氏は、
「北欧のデザインには、1900年初頭にドイツに設立された美術学校、バウハウスのモダニズムがいまも息づいています。そしてそれは日本の伝統にも着想を得ているんですよ」
そんなルーツが北欧デザインに日本人が親しみを感じる理由になっているようだ。
だが、北欧デザインは何も家具などに限った話ではない。昨今、デンマークではデザイナーの新たな活躍の場として「サービスデザイン」と呼ばれる分野が注目を集めているという。これは家具などの形ある物理的なモノにとらわれず、考え方やワークフロー、システムなどのデザインも広く手がけようというもの。自分で食事の用意をするのが難しい高齢者に質の良い食事を届ける「グッドキッチン」というシステムもその一例だ。
デンマークをはじめとする北欧の国々では、デザインが生活のなかに身近にある。たとえば、ノボノルディスクという製薬メーカーは糖尿病患者が使う注射器を洒落たペンの形にデザイン。患者が病気であることを意識せずに快適な生活を送れる手助けをしている。また、よりよい暮らしのためのデザインをコンセプトにしたデザインアワードでは、汚染された水(トイレの水さえも!)を直接飲めるようにする「ライフストロー」のほか、電気自動車を走らせるためのインフラデザイン「ベタープレイス」も受賞している。…
