例えば熱っぽくて、ドラッグストアへ市販の風邪薬を買いに行くとする。カウンターで薬剤師に「熱があって、ちょっとだるいんです」とか症状を伝えると、「これでいかがですか?」と、薬を選んで出してくれる。言われた通り、その薬を買う。
2009年6月の薬事法改正で、風邪薬などは薬剤師から手渡しで買うことになってから、そんなやりとりが多いと思う。でも、ちょっと疑問が。
例えば熱を下げる薬って、いろんな会社から出ていて、薬剤師の後ろにいくつも並んでる。なのに薬剤師は、そのうちのひとつをサッとすぐに差し出してくる。
一体、選ぶ基準って何なんだろう? まさか! 値段が高いものを売ろうとしてるとか!? 社団法人日本薬剤師会に話を伺った。
「いえいえ、値段じゃないです。患者さんの年齢や性別、症状の度合い、普段薬を飲んでいるか、アレルギー歴はあるか、仕事中に飲むかなど、伺った情報をもとに、その人に合った薬を薬剤師が判断するんです。同じ症状に効く薬でも、成分がそれぞれ違うんですね。例えば熱を下げる成分としては、アセトアミノフェンとか、アスピリンとか、イブプロフェンとか、いろいろありまして。その中から、例えば妊婦や授乳婦であれば、アセトアミノフェンがいいだろうなどと選ぶわけです」
成分の他にも、患者が話す内容によって、勧める薬はさまざま。
「例えばお年寄りの中には、薬を飲み込むのが苦手で、錠剤を好まない方がいらっしゃいます。あと入れ歯の方は、顆粒だと入れ歯と歯茎の間に挟まって痛いということがあります。ですので、成分のほかに形状や服用回数などを含めて、その方に合わせた薬をお出ししているんですね」
ちなみに、同じメーカーの同じ効果をうたう薬の中にも、値段が高いものと安いものがある。これって高い方が効くんじゃないかと思うけど、そうとは限らないという。
「値段が高くなるのは、例えば新しく開発された成分が入ったときなどですが、だからといって、その患者さんに効くとは限らないんですよ。…
