映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで登場した“デロリアン”という車。パート1のエンディングシーンは鮮烈だった。改造後のタイムトラベルの動力は、ガソリンでもプルトニウムでもなく、その辺のゴミ置き場にあったバナナの皮とかジュースの残りとか空き缶とか、要するにゴミを再利用。それをエネルギーに、宙に浮いて21世紀にタイムスリップしていく。
「なんてカッコいいんだ!」――当時小学生だった私には、あの未来を感じさせるシーンが魅力的だった。しかし、あれは映画の世界。そんな風に割り切っていたが、ついに時代が映画に近づいてきた。
“世界のソニー”がやってくれたのだ。今、我々が見たこともないような電池を開発している。その名も『バイオ電池』。
この電池がスゴい。果物や野菜、ジュースなどの飲み物に含まれる「ぶどう糖」のエネルギーを電気エネルギーにかえて発電するのだ。
ただ、原理が難しい。難しいので詳細は割愛するが、簡単に言うと、ぶどう糖と酸素を化学反応させて電気を起こしている。生物は、ぶどう糖などの炭水化物を酵素で分解して、活動エネルギーを得ている。バイオ電池ではこの仕組みを利用して、ぶどう糖を酵素で分解して電気エネルギーを取り出す。
この研究を、ソニーの研究所が着手し始めたのは2001年。まさに21世紀の幕開けとともにスタートした。そして試作品のバイオ電池によって、初めて実験的に動作確認ができたのは、ソニーの代表的商品とも言える『ウォークマン』。ぶどう糖によって曲を再生させるのだから、今までの私たちの生活では想像もつかない。これぞ、未来の音楽!
私が『バイオ電池』を初めて見たのは、今年の1月19日だった。タカラトミーが出展する「トイフォーラム2010」という展示会を見学したのだが、この中にひときわ人を集めるスペースが。ここが、まさにバイオ電池を紹介するブースだった。
ブース内では、コーラを注いでプロペラを回転させるデモを実演。…
