この原稿を書いているのは10月3日なのだが、つい数週間前のあの暑さは何だったのだろう。完全に秋。この急激な気候の変化に、付いていくのがやっとです。
そんな季節の移ろいが、なぜか傘を差しているとよくわかるらしい。「有限会社 znug design(ツナグ デザイン)」が製作した日傘『691236』を差していると、その傘の内側から見える太陽の位置で、今の季節と時刻がわかるというのだ。
画像を見ていただきたい。傘の内側に引かれた縦の線5本は「時刻」を表し、横の線3本は「季節」を表す。
縦線の傍らに印字されている数字(6、9、12、3、6)は当然、時刻のこと。そして、季節を表す横線3本について。一番上の線は「夏至」を、真ん中の線は「春分」「秋分」を、一番下の線は「冬至」を指す。
使い方は、傘の取っ手にある方位磁針のN極を自分に、S極が傘の“12”を指すように構えて太陽を見る。
その状態で見る太陽の位置はどこか? それで判明する。画像の太陽だと、夏から秋になろうか(もしくは、春から夏になろうか)という時期の、午後4時くらい。
ちなみに、同社はデザイン事務所である。元々、商品を製作して一般に販売するという業務を行う会社じゃなかった。
この『691236』も、日傘の作品のみを扱う展示会のために製作されたもの。それが「面白いから、商品化しませんか?」というお声がかかり、周囲の協力のもとにいつの間にか商品となった。
ひとつ気をつけていただきたいのは、この傘は北緯35度(日本国内やほぼ同緯度の地域)に対応して作られている。また、北緯35度に立っていたからって、寸分違わぬ時刻がわかるワケではない。
「そこまでカッチリ正確ではなく、この傘を通じて『太陽が動いているな』と感じてもらうのが、一番の願いです」(製作者の根津さん)
時間は、携帯電話を見ればわかる。しかし、そう言わずに大きな宇宙の動きに思いを馳せて、心にゆとりを持ってもらいたい。…
