つい最近、不意に『スクールウォーズ』を観る機会があったのだが、当時の伊藤かずえのスカートの長さは異常。……というか、当時はアレが普通だった。
腰から下にアンブレラが広がってるような、時代を感じさせるフォルム。

そう考えると、最近の女子高生のスカートの短さには隔世の感がある。ただ、一方で不安な気持ちも。思わず、お父さんの気持ちになってしまうのだ。「コラコラ、そんな短いスカート穿いてると……」みたいな。
教えてあげたい。
「スカートの長さが35cmよりも長ければ、スカートの内側を見られる心配がない」ってことを。

これは京都大学大学院理学研究科を修了した“雑学界の権威”平林純氏が「WonderNotes」にて発表した研究結果である。

興味深いことを研究しているな! しかし、ここで平林氏はピシャリ。
「私は今回は科学的好奇心で動いているのである。そこに、一点の不純な気持ちも存在しないことを、ここで確認しておく」
了解です(笑)!

まず始めに、平林氏は腰からスカートの先までの長さを「スカートの丈」と定義。また、「腰から下着の一番下の部分(股下を計るときの一番上)までの長さは大体25cm」という情報をも入手しているようだ。

それを踏まえ、ここからは京大大学院出身の頭脳を駆使した幾何学が繰り広げられた。……が、残念ながら文系の私にはナカナカに難しかったので、99年11月に平林氏が発表した「ミニスカートの幾何学」を参考にしていただきたい。
この綿密な数字と計算式によって、最終的に「スカートの長さが32cmあり、風が吹かなければ、角度が25度程度の比較的急な階段であったとしてもスカートの内側を見ることはできない」という説得力のある結論が導き出されている。

しかし逆に言えば、32cmのスカートで安全なのは角度が25度程度の階段までに過ぎないわけだ。もしもそれより急な階段があれば、もっと長いスカートを履いていないとスカートの内側が見えてしまうということになる。
では、一体どのくらいの長さのスカートであれば「スカートの内側を見られる心配をしなくて済む」のだろう?

ここで持ち出されるのが、建築基準法(第三節 第二十三条)。
こちらを参考にすると、公共の場所においては「階段の一段の高さは18cm以下で幅は26cm以上、そして、階段の高さが3m以上であれば、3m以内ごとに1.2m以上の長さの踊り場を設けなければいけない」と定められていることがわかるという。
この建築基準法の規定に従うと、日本国内で作ることができる「(公共の場所における)最も急な階段」は35度となる。

そして前述の「ミニスカート幾何学」を用いると、35度の急階段であったとしても35cm丈の長さのスカートであれば、スカート内部の下着を覗かれてしまうことはないと導き出された。
つまり、日本国内の公共の場所においては35cm以上の丈があるスカートを履いている限り、スカートの中にある下着を覗かれることはないというわけだ。

「『“足を滑らすと危ない急階段”を防ごう!』という目的で定められた建築基準法の第三節 第二十三条は、滑落の危険を防止するとともに、ミニスカートの安全をも守っているのです。……風が吹かない限りにおいては」(平林氏)
なるほど。
だからと言って風を期待してはいけない、俺。

しかし、面白いモンだな。法律書のページをめくり、その中にある数字を科学的に解き明かしていくと、「35cm丈のミニスカートは絶対安全」と証明をすることができたのだから。
「数学なんか勉強してても、こんなの将来役に立つ訳ないじゃん!」とグチってた学生時代。しかし、それは完全なる誤りだった。京大大学院修了の頭脳が、それを証明してくれている。

(寺西ジャジューカ)