対『女』でめんどくさい思いをしたことありますか? と質問をしたら「はいはいはいはいはい!」と男性女性問わず、多くの方が挙手をするような気がする。職場の同僚や先輩後輩、ママ友、学友、ご近所などなど…自分が意図せずとも気付かないうちにとんでもない事態に巻き込まれていることもあるだろう。


そんな方にぜひお勧めしたいのが『女子の人間関係』という書籍だ。あまり対『女』でめんどくさい思いをしたことはないのだが、たまたま少しめんどくさいなあの人……と思っていたときにこの本を見つけ、軽い気持ちで読んでみたのだが最初の「なぜ『女の敵は女』なのだろう」という項目で完全にノックアウトされてしまった。もう読みながら「なるほどなるほど! なーるーほーどー!!」と、なんであの人はああいう風な態度をとるのだろう? という疑問がすっと解決できたのだ。

対人間関係に照準を絞った書籍はたくさん出ているが、なぜ対『女』に照準を絞って書籍を書いたのか、疑問に思ったので編集者の方に聞いてみた。

「多くの女性がストレスを抱えており、その一番の要因に人間関係、特に女性同士の人間関係をあげる方が少なくありません。しかし、それにも関わらずそうした女性の悩みにこたえる書籍がほぼないことから、この書籍の企画を考えました。
『女性の人間関係』について、単なる精神論でもなく、たとえば“ママ友NGワード”というようなネットで簡単に入手できるいわゆる小手先のテクニックでもなく、実践的かつ本質的に対処する方法を紹介するような本にしたいと考え、本書の著者である水島広子先生であれば、そうした事態の根本的な分析、プラクティカルな対処法を書いていただけると思い、執筆を依頼しました」

書籍内では、どうしてめんどくさい『女』というものが生まれてしまうのか? という背景を説明した上で、ではどのように対処をしていけばよいかを、めんどくさいことに巻き込まれないというファーストステップ、自分を守るというセカンドステップ、最後に本当の意味で相手といい関係を築くサードステップという、スリーステップで解説している。

また、「嫉妬して張り合ってくる『女』」「ママ友で仲間外れに」や、「男性にだけいい顔をする後輩」などなど各シチュエーションにそった相談例もたくさん掲載されており、それぞれの状況の分析から始まり、その後スリーステップでどう対処していくかがきちんと説明されているのでとても参考になるだろう。

この相談内容について実際にあったことだったのか編集の方に聞いたところ、「水島先生、担当編集、また弊社の他の女性などで、自分たちの周囲の女性や、女性誌、ネット上の悩み相談などを総合的にリサーチし、そこから『未婚/既婚、働いている/働いていない、子どもがいる/いない、世代……など属性のちがいによらず女性に共通するもの』、『女性特有の要因が絡んでいるもの』などいくつかの基準で、抽出し設定したもの」ということなので、あるある! という例が多く掲載されている。

なお、この記事の中で『女』と表現しているものは、書籍の中でもそうなのだが女性という性全体を指しているわけではなく、いわゆる「女のめんどくさい部分」を指して『女』としている。あくまで女性全体を否定しているわけではないので、そこは勘違いをしないでいただきたい。

ママ友とうまくいかない、同僚が常に張り合ってくる、先輩が私にだけ厳しい、後輩が男にだけいい顔をする……などなどさまざまな状況に苦労し、困りつつも状況を改善しようと努力をしている方も多いだろう。


でも、どんなに頑張ってもどうしてもうまくいかないときもある。そんな時、この書籍を開いてほしいなと私は思う。この書籍は女性である自分をもっと好きになり、自分が女性であることに誇りを持つことができ、周りの人と協調していけるそんな新たな自分をイメージすることができるようになる、そんな本である。

最後に著者の水島広子さんに、この書籍をどんな方に読んでほしいかを聞いてみた。

「ひとりでも多くの女性に読んでいただきたいのはもちろん、『女ってめんどくさい』と思っているような男性にもぜひ読んでほしいと思います」

女性が社会進出をするようになった今、職場で対『女』性に対して苦労する男性陣も多いことだろう。そんな方やまた、家庭内で対『女』性の行動が理解できず対応に苦労している男性陣にも本書をお勧めしたい。
『女』性は否定されることなく、癒やされたいだけなのだ。

女性はめんどくさいが、とてつもなく楽しい! 女性にはもちろん、男性にもそう思っていただきたいと思う。そしてそのためのきっかけになれる書籍だ。ぜひご一読いただきたい。
(梶原みのり/boox)