日本にいた時はそれほど気に留めていなかったが、海外で暮らすようになってから、インスタントラーメンは日本を繋ぐ大切な味の1つになった。手間をかけず日本の味で食事を済ませたい時、インスタントラーメンほど最適なものはない。
今もインスタントラーメンをすすりながら、この記事を書いている。

フランスでも日本食材店へ行けば、日本から輸入されたインスタントラーメンを買える。しかし輸入品なので少々高い。日本と同じ値段感覚で買えるのが、欧州で作られた日本企業の製品だ。カップヌードルで有名な日清食品は、欧州でも商品を販売している。日本と欧州のカップヌードルはどこが違うのか? パリで売られているものと比べてみた。


カップヌードルは、フランスでは日本と異なる味で展開されている。商品は6種類あり、スパイスとシイタケの香りがベースとなったエレガントな風味の「チキン・テリヤキ」、しょうゆに香り高いスパイスと野菜を加え、食欲をそそらせるビーフスープの「ビーフ・スキヤキ」、滋味あるエビと野菜に本物の日本のスープを添えた「シュリンプ・ハマヤキ」、刺激的なスパイスと豊富な野菜トッピングを上質なスープに入れた「ベジタブル・ヤサイ」、シイタケと味噌の完璧なブレンドが食欲旺盛な味良いスープを作る「マッシュルーム・ミソ・シイタケ」、海産物と野菜を濃縮させたクリーミーなシーフードスープが特徴の「シーフード・チャンポン」だ。
欧州と日本のカップヌードル&焼きそばを食べ比べてみた

日仏ではまず容器が異なる。フランスはプラスチック製だ。フタは紙でなくアルミニウム製になっている。待ち時間は日本と同じ3分間。
麺の形状や舌触りは同じである。チキン・テリヤキ味の場合、スープは日本のカップヌードルと近いものの、フランスは具の野菜がしっかりしている。個人的に好きな卵はフランスの具に入っていない。外国製の日本風食品の中には、日本人の味覚に合わない場合も多いものの、日清が作るだけあって、これは問題無くいける。

じつはフランスで売られている日清のカップ麺は、カップヌードルだけではない。インスタント焼きそばも売られている。
欧州人も日本人同様に、お湯切りして焼きそばを作るのだ! 
欧州と日本のカップヌードル&焼きそばを食べ比べてみた

日清のインスタント焼きそばは「U.F.O.」ではなく、「SOBA」という直球の商品名だ。種類は、麺に加えた香り立つソースが完全に虜にさせる「クラシック」、ホットチリペッパーにより焼きそばソースにアクセントを加えた「チリ」、よだれがしたたるような甘さに、スパイシーで濃厚な焼きそばカレーソースを使う「カレー」、キャラメリゼしたしょうゆに美味なシイタケをあえた「テリヤキ」の4種類で展開する。
欧州と日本のカップヌードル&焼きそばを食べ比べてみた

カップは日本のようにインスタント焼きそば独特の形状ではなく、カップヌードルと同じものが用いられている。待ち時間は3分間。プラスチック製なので、日本のものと比べ、お湯切りの際に手に熱さが伝わりやすい。麺は日本のカップ焼きそばと比べ細め。
日本の焼きそばほどソースの濃厚さは無いが、味は十分に満足いくものだ。何よりインスタント焼きそばをこのところ食べられる機会が無かったので、こういうものを海外で選択肢として持てることがうれしい。

異国で現地の食事に舌鼓を打つのはもちろんだが、外国独自の日本製品を食べ比べてみるのも、その場所でしか味わえない楽しみの1つになるはずだ。海外へ行く際にはぜひお試しあれ! 
(加藤亨延)