皆さんは西野カナと聞いて何を思い浮かべるだろうか。個人的には、「会いたい会いたいって言いすぎ」とか「歌詞が薄い感じ」とか「震えるとか(笑)」などファンを始め関係者の方には申し訳ないのだが、ちょっと冷ややかなイメージを持っていた

しかし、実際のところ西野カナは、音楽業界の関係者からかなり評判が良い。しかもこの業界関係者というのは、そんじょそこらの人物ではなくかなりの大物たちなのだ。
西野カナを評価する人たちは、サザンオールスターズの桑田佳祐、Mr.Childrenの桜井和寿、日本を代表する音楽プロデューサーの亀田誠治とそうそうたる人物。では彼らが西野カナに対してどんな称賛の言葉を送っているのか見ていこう。

【桑田佳祐、西野カナの歌唱力を称賛】


桑田佳祐は毎年、自身のラジオ番組で「桑田佳祐が選ぶ邦楽ベスト20」と題してその年の邦楽の中から桑田自身が良いと思った曲を20曲紹介している。そこで西野カナは2013年に「涙色」で17位に、2014年に「Darling」で7位にランクインを果たした。2年続けてランクインすることはかなり珍しいことで、2013年・2014年と2年連続でランクインしたのは西野カナ以外だとスガシカオのみだ。

2013年のランキング発表時に桑田は「この子は歌うまいでしょ。なんと言われようと好きよ」「曲もいいんだけど、このキックのパターンでよく歌えるなとおもって感心しちゃう」とその歌唱力を手放しで称賛している。

【桜井和寿、西野カナの歌唱力を絶賛】


Mr.Childrenのヴォーカルである桜井もまた、西野カナの歌唱力を絶賛している人物のひとりだ。2010年に雑誌「LuckyRaccoon」でインタビューを受けたときには、「声がいい。声量がありすぎないからバランスがいい」「ラジオで流れていいなと思うと、やっぱりこの子かと耳に止まる」とかなり高い評価をしている。ちなみに桜井が若手のアーティストを名指しで称賛することは滅多にない。
さらに、2014年の雑誌「LuckyRaccoon」のインタビューでは、西野カナに対して「かなりの尊敬」にまで発展していることを明かした。
その理由を「CDのクオリティでテレビやライブで歌えるから」と答えている。桜井自身、伝えようとして力んだり、声を歪ませたりする余り、余計な力が入り不安定になることがあるそうだが、西野カナはずっと力を抜き続けて原曲に忠実な形で歌うことができるので凄いというのだ。

【亀田誠治も西野カナを取り上げる】


亀田誠治は解散した東京事変のメンバーで、プロデューサーとしてもCoCoやいきものがかりなど数多くの一流アーティストの編曲を手掛けている人物。そんな亀田もヒット曲を分析する自身の冠番組「亀田音楽専門学校」で西野カナを取り上げて評価している。
ある放送では「マイナーキー」を取り上げた。マイナーキーとは、いわば短音のことで一般的に暗くて切ない感じの曲を出すときに使われる。
しかし、亀田は番組内で「90年以降のマイナーキーの音楽には新しい要素が加わっている」として、その代表的な曲として、小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」、宇多田ヒカルの「Can You Keep A Secret?」、西野カナの「会いたくて 会いたくて」を紹介した。亀田氏はこれらの曲には「胸キュン」や「せつなさ」の要素が強く、表現の幅が広がっていることを指摘した。
「会いたくて 会いたくて」を聞くと、「震えるって笑」とか「また会えないのか」などとツッコミを入れたがる(事実Amazonのレビューを見てもそんな評価が多い)人も多いかもしれない。しかしプロの耳から見れば、「せつなさ」が表れた曲であり、「ラブ・ストーリーは突然に」や「Can You Keep A Secret?」に勝るとも劣らない名曲なのだ。

このように西野カナは多くの大物音楽関係者から高い評価を受けているが分かる。西野カナを好きという人もそうではない人もこれらのことを頭に入れて西野カナの曲を聴いてみると、また違った魅力に気付くのではないだろうか。

(さのゆう)