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虐待、学級崩壊、認知症高齢者の先のしあわせ 映画『きみはいい子』呉美保監督インタビュー

ライター情報:鶴賀太郎

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去る6月24日、シネコン「シネマ・オクトーバー」に訪れた地元モスクワっ子たちは、興奮で感情を露わにした。

モスクワ国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞した『きみはいい子』の公式上映後、多くのロシア人が口々に「スパスィーバ(ありがとう)!」と言いながら作品の監督に握手を求める光景が続いた。

「ロシア人は全体的にシャイな方が多い印象だったので、こんなに感情を出してくれるとは思いませんでした」とは昨年公開の『そこのみにて光輝く』で各方面から絶賛された呉美保監督。

「『これは世界中の人が見るべき映画だわ』と言ってもらえたのは嬉しかったですね」

それもそのはず。本作に描かれている人々は幼児虐待、認知症、学級崩壊など深刻度の高い問題を抱えているが、決して私たちから遠い存在ではない。それら問題の根にあるのは、私たちの多くが抱える問題と同根であり、異郷の地でも受け入れられる普遍性を獲得している。
映画『きみはいい子』。モスクワ国際映画祭、最優秀アジア映画賞受賞の今年一番の邦画注目作。テアトル新宿他全国ロードショー中。
(C)2015「きみはいい子」製作委員会

本作は坪田譲治文学賞を受賞した中脇初枝さん原作の同名の小説を映画化したものだ。

「普通、映画の原作のつもりで読むと映像化をするための物理的なことを気にしてしまうのですが、これは一読者としていい本だなと思いながら読みました」
呉美保監督。昨年公開の『そこのみにて光輝く』でモントリオール世界映画祭の最優秀映画監督賞を受賞。これからの日本の映画界を間違いなく担っていく注目の監督だ。
(C)2015「きみはいい子」製作委員会

ある町を舞台にした群像劇。学級崩壊に直面する新米教師、虐待の連鎖を断ち切れず娘に手を上げる母親、自閉症の少年と交流する認知症気味の独居老人などが登場する。

思わず胸を締め付けられるようなエピソードが続くが、決して他人事とは思えない。

ライター情報: 鶴賀太郎

ライター/マーケティング・イベントプランナー。
国内外の著者インタビュー、映画監督インタビューを得意とする。グアム国際映画祭、茅ヶ崎映画祭にも関与。

URL:http://mywifescamera.blogspot.com

2015年7月17日 10時00分

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