あまりに可愛らしいものを目にすると「食べちゃいたいくらいに可愛い!」と表現する人をたまに見ますが、私がそれです。

いやさ、私だけじゃないらしい。
フワフワの毛とプニプニの肉球を合わせ持ったねこのまるっこい前足を見て「まるでクリームパンみたい!」と興奮した出版社「パイ インターナショナル」は、ねこの「おてて」だけを集めた写真集『ねこのおてて』(税別920円)を2月9日より発売します。
まるで、クリームパン!? ねこの「おてて」だけを集めた写真集

「ねこに手なんかない!」とか野暮なことは言わないでくださいね。あのまるっこい前足って、もはや「おてて」じゃないですか!?
「ねこはどこのパーツを見ても本当に可愛いですが、“手”となると裏側の肉球にばかり焦点が当たるのがずっと気になっていて……。甲側から見た時の、あの何とも言えない愛くるしさをもっと知ってもらいたい! と思い、この写真集を企画しました」
お答えいただいたのは、この写真集の担当編集者である筒井さん。それにしても、あの「おてて」をクリームパンに喩えた見立ては見事です。


ページをめくると、次々と「おてて」ばかりが目に飛び込んでくる


記者もこの写真集を実際に見てみたのですが、ページをめくると「顔」でもなく「しっぽ」でもなく「おてて」ばかりがドン! ドン! ドン! と目に飛び込んでくる展開には意表を突かれます。
まるで、クリームパン!? ねこの「おてて」だけを集めた写真集

「この『くにっ』と効果音がしそうなくらい絶妙な折り曲がりを見せる、いわゆる“折れ手”写真ページが特に大好きです。
隙間に指を差し込みたくなります」(筒井さん)
なんか、ピッチャーがウォーミングアップしてる瞬間の動きに似てますが、ねこの場合はそこまでの勇ましさはありません。愛くるしさしかない。たしかに指、差し込みたくなりますね……。
いや、他にもねこが「おてて」の上に顎を乗せてる写真なんかもあるし、そうなると自ずと顔もバッチリ写ってます。とは言え、あくまで主役は「おてて」なのですけども。

ちなみに、この写真集には40匹を超えるねこちゃんたちが登場しています。

「普段から、日常的にSNSやブログに飼いねこのお写真をアップされている方々を拝見していたので、その中から『おてて』の形が可愛かった子はもちろん、個人的に『おてて』写真が見てみたい! と思った子の飼い主さん方にお声がけしました」(筒井さん)

また、この写真集には「おてて」の雑学(?)も紹介されています。なぜ、ねこは「おてて」をしっぽで隠すのか? なぜ、暇さえあれば熱心に「おてて」をなめているのか? ねこの「おてて」の爪の秘密などなど。

「おてて」写真から逆算して、どんな子か想像してみる面白さ


写真集を見たら、たしかにねこの「おてて」の愛くるしさに納得しました。正直、始めは「ニッチな着眼点だな……」なんて思っていたのですが。
「よく拝見しているニャンスタグラマーさん(インスタグラムでねこ写真を投稿している飼い主さん)の間でも、パン祭りなどと称したハッシュタグで『おてて』写真の投稿が盛り上がっていたり、“ねこ好き”の中でも『おてて』を愛でている方が多い印象を受けました。ねこ愛好家さん方の愛でる幅は本当に広いので『おてて』が一番とは断言できないですが、好きな人にはたまらないパーツであることは確かです(笑)」(筒井さん)

では、最後に。
ねこの「おてて」の魅力って何でしょう?
「ねこによって全く異なるふっくら感や毛色、模様といった個性をたった一箇所で堪能できてしまうのが『おてて』の最大の魅力だと思います。巻末には掲載ねこのプロフィールとともにお顔写真も紹介しているので、『おてて』写真からどんな子か想像してみるのも面白いかもしれません」(筒井さん)

“好きな異性のタイプ”に「手がきれいな人」を挙げる人間は多いですが、それはねこにも当てはまるのか!? この写真集で、私は新境地を開拓しました。
(寺西ジャジューカ)