バレエダンサーはなぜ太った人がいないのか?

バレエダンサーといえば、どんな人もほっそりしているイメージがある。噂によれば、ダイエット意識が高いと聞く。
しかし、そもそもなぜ太った人がいないのか不思議である。この素朴な疑問をバレエダンサーに聞いてみた。

バレエダンサーは太ってはいけない?


今回教えてくれたのは、バレエダンサーの寺島ひろみさん。バレエダンサーは皆痩せているように見えるが、太ってはいけない規定でもあるのだろうか?

「バレエは伝統芸術です。美しく見える、細くて柔軟な体に導くよう、毎日訓練します。ただし、細いというのは、健康的な細さのことをいいます。
バレエの規定には、太ってはいけないというものはありません。
しかし、バレエダンサーは、バレエの規定に従って、幼少期から訓練することが多いため、何年も訓練しつづけることで細身な身体になる傾向はあります。バレエにはアスリート級の強い筋肉が必要なので、日々練習をしていると、筋肉を使うことから、自然に細身になっていくこともあると思います。
ただ、すべての人に当てはまるとは限りません」

バレエダンサーが細身のほうがいい理由


バレエの規定には、特に太ってはいけないという項目はないものの、「細くて柔軟な体」である必要はあるようだ。では、なぜ細身のほうがいいのだろうか。

「まず、女性はポワント(トウシューズ)を履くため、体重が重いと全身を引き上げられなくなり怪我につながります。
男性と踊る“ドゥエットクラス”になれば、体重が重いと男性が持ち上げられなくなります。これらの理由から、身軽なほうがベストといえます」

どうやらバレエでは、見た目の太さがどうということよりも、体重が重いことが一番のネックになるようだ。


バレエダンサーの日々の心がけ


バレエダンサーは、練習をしていれば、すなわち細くなるというわけではない。やはり太らないように努力している人も多いという。寺島さんは、普段どのようなことを意識しているのだろうか。

「私は、毎日のストレッチは欠かさないようにしています。体の血行が悪いと太るためです。
一般の方でも、一日一回、お風呂上がりだけでも良いので、ストレッチをすると効果があると思います。
あとは、体を冷やさないようにすることも心がけています」

血流を良くして体を冷やさない。細くなりたい一般人にとっては少し盲点になりがちなことだ。ぜひヒントにしてみよう。
(石原亜香利)

取材協力
バレエダンサーはなぜ太った人がいないのか?

バレエダンサー 寺島 ひろみさん
1996年ロシア国立ワガノワバレエアカデミーに留学。1998年ロシア国立ワガノワ国際バレエコンクール特別賞受賞、全日本バレエコンクールシニア部3位。1999年ロシア国立マリンスキー劇場バレエ団にてソリストとして踊る。
その後、ドイツドレスデン歌劇場バレエ団入団。2003年より新国立劇場バレエ団に入団し、「白鳥の湖」「ライモンダ」など多くの主役を務める。
直近では、2017年3月4日(土)オープン予定の、大人向け クラシックバレエスタジオ「Swan Angel(スワンエンジェル)」の講師を務める。(品川駅より徒歩1分)。バレエ入門クラスもあるため、気軽に体験レッスンから始められる。
http://swan-angel.com