古代地中海からヨーロッパ、アジアまで、世界各国のランプを見ることができる「魅惑のランプ」展が、
池袋サンシャインシティ内にある古代オリエント博物館で、7月29日から9月10日まで開催されています。


世界各国のランプが200点以上!


現代の私たちにとって、電気を使った照明はなくてはならないものです。あまりにも電気照明を使うことが当たり前になっている私たちですが、停電になるとそのありがたさをあらためて感じることがあります。
電気照明が今の私たちになくてはならない物のように、古代からランプは人の生活になくてはならないものでした。

この「魅惑のランプ」展では、古代のギリシア、エジプトなどの地中海世界から、近現代の南アジア、ヨーロッパ、そして日本のさまざまな種類のランプを見ることができます。その数は200点以上! 魅力的なランプの世界をご紹介します。

2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
チベット 19世紀


西アジアで作られた土製のランプ。丸形のお皿の一部をつまんで、でっぱりを作ったようなシンプルな形。この先端部分は黒くすすけており、灯芯があたっていたことが分かります。


2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
西アジア 土製ランプ


チュニジアで作られた土製ランプはローマ時代2~3世紀の頃のもの。まわりの細かな模様は、愛と美の女神ウェヌスに捧げられる花冠がぐるりとあらわされているそう。

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チュニジア 土製ランプ


インドの金属製ランプは細かな装飾が施されており、ゾウの形をかたどったランプはとても印象的です。

2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
インド 金属製ランプ 19~20世紀


19世紀のインドで作られた鉄製ランプは、球体でとても目を惹きます。3つの軸で支えられたコマがどの方向にも回転できる仕組みとなっており、どんな回転でも真ん中の火の部分は傾かないように作られています。船の上などで使われたそうで、そのユニークな形に納得。


2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
19世紀 船の上などで使われたインドの鉄製ランプ
 

まるで今にも「ランプの精」が出てきそうな青銅製のランプはイランのもの。油を入れる蓋の部分に鳥の装飾が形作られています。

2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
こすればジーニーが出てきそう!? イラン 12~13世紀


地域や時代背景によって異なる特徴を持つランプたち。ランプを通して、その時代を生きた人々の生活を想像してみるのも一つの楽しみ方ですね。


古代地下墓の暗闇を体験!?


ランプが多く出土した、シリアのパルミラ遺跡の地下墓をイメージして作られた墓室では、今から2000年も前のランプの明るさ体験ができます。LEDのランプを手にいざ暗闇の墓室へ。
2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
展示ブース内に、古代のお墓が出現!


中に入ってカーテンが閉められると、ランプの灯りのみに。
小さなお子様はちょっと怖がってしまうかも!? ランプの灯りで正面の彫像(レプリカ)に陰影ができ、より厳かな雰囲気が感じられます。


古代エジプトのパワーを得られる!?護符づくり体験!


「魅惑のランプ」展では、ランプ作りやエジプトの護符つくり体験ができます。ランプ作りは応募開始直後、すでに定員に達してしまったそう。今回は護符づくりを体験しました。
2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
子供から大人まで楽しめる護符作り体験


5種類のお守りから1つを選んで、さっそく護符作り開始! ホルス神の目・ハトホル女神・ベス神・ハルポクラテス神・スカラベ、それぞれに魔除けや愛情、家内安全などの意味があります。

今回は愛の神“ハトホル女神”を選びました。
まずは粘土の色選び。好きな色の粘土を型にはめていきます。愛の女神ということで、赤色の粘土を選びました。

2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた


古代の人も同じような型を使って作っていたとか。すでに型を使って量産していたなんて驚きです。
2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
選んだ粘土を型に押し込んでいきます


粘土を型に押し込んだら、ひもを通す穴を竹串で作っていきます。
ここがちょっと難関なのですが、スタッフさんがお手伝いしてくれるので大丈夫!
2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた
ひもを通す穴をあけていきます


穴に串を通して粘土を型から上手にはがしたら、後は焼きあがるのを待つだけ。焼くのに少し時間がかかるため、その間に展示を見て回るといいかもしれません。作り方はスタッフさんが丁寧に教えてくれるので、子供でも簡単に出来ちゃいます!

20分ほどで焼きあがりました。今回は2名で体験したので、それぞれ愛情・技芸のご利益があるハトホル女神と、魔除け・繁栄のご利益がホルス神の目(この護符のみひとつの粘土で2つ分作成可)、2種類の護符の出来上がりです。お守りとして持ち歩いたらいいことがあるかもしれません。
2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた


子供から大人まで楽しめる護符作りは、8月1日~9月3日の13:30から16:00まで、博物館内ロビーで開催されます。
参加費は1回100円(入館料必要)となります。
(おぜきめぐみ/イベニア)

【夏の特別展】魅惑のランプ―古代地中海からヨーロッパ、アジアまで―
2000年前の明るさを体験!古今東西のランプを集めた「魅惑のランプ」展に驚いた

◆会場
池袋サンシャインシティ文化会館7階 古代オリエント博物館
※選りすぐりのコレクション展(常設展縮小版)も同時にご覧になれます

◆会期
2017年7月29日(土)~9月10日(日)

◆開館時間
10:00~17:00(入館は16:30まで)
※8月9日(水)、8月18日(金)、8月24日(木)は10:00~20:00(入館は19:30まで) 

◆休館日
会期中無休

◆入館料
一般 900円、大高生 600円、中小生 400円
(20名以上の団体は各100円引き。
障がい者手帳をお持ちの方は半額、介護者1名まで無料)