『ライスパスタ』をご存知だろうか?

以前、Bitでお米からできたパン『ラブライス』について紹介したが、このライスパスタも名前の通り、小麦粉を使わずに、お米100%でつくられたパスタ商品。ライスパスタは“ビーフン”でおなじみのケンミン食品(株)さんが2008年3月より展開している商品で、発売以来、近年の小麦価格の高騰、米食回帰の動きを背景に、徐々に注目を集めているという。


そんなライスパスタを使ったメニューを味わえる「試食会」が8日に開催されるということで行ってみることに。

当日は、料理本の編集から料理番組のディレクターまで、食に関わる分野で幅広く活躍されている料理コーディネーター・戸叶(とかの)光子さん考案のメニューが提供された。

「お米からつくられているこのライスパスタは、小麦の麺と比べて、やさしくマイルドな味わいなので、さまざまなジャンルの料理に合わせられます」と語る戸叶さんが実演でつくってくれたのが、調理法も味付けも異なる和洋中のメニュー。

具材をバターで炒め、スープで味付けした洋風「えびとバジルのパスタ」、冷たい麺にあつあつのピリ辛肉味噌をのせた中華風「四川風和え麺」、そして昆布とかつおだしでとった濃いめの温かいだし汁をかけた和風「お茶漬け風 汁かけヌードル」の3品だ。

この洋風料理は、小麦パスタでもおなじみのタイプの味付けなのでイメージできたが、麺を肉味噌とからめて食べる中華と、特に“わさび”が添えられたお茶漬け式の和風料理はどうなんだろう?
ドキドキしながら、口に運んでみたが、それぞれ和洋中の味付けとなじんでいて、それぞれ違った食感も楽しむことができた。四川風和え麺は冷やしてしめた麺だったので、よりモチモチした食感を味わうことができたし、汁かけヌードルはだし汁との相性もよく、のど越しもさわやかにいただけた。

また、食べた後の腹持ちのよさも感じられたのが印象的だった。

ところでこのライスパスタ。ビーフンの製造・販売で長年の歴史を持つケンミン食品(株)さんの商品なので、そのノウハウをそのまま応用してパスタも開発したのだろう、とさらりと考えていたのだが、完成までには2年余りの歳月を要したという。
従来のビーフン生産方式だと、理想とする味・食感を実現するのが難しく、製麺工程・管理方式の全面的見直しを行い、試作を重ねて、開発が進められていったという。
このライスパスタは、麺にしたときの粘り加減や強度面で、より適しているという理由からタイ米(インディカ種)が使用され、また、よりソフトな食感や栄養面の強化を追求した結果、玄米もバランスよく配合されている。

そうしてできたこのライスパスタの特徴は、「小麦パスタにはない、お米特有のモチモチした食感が生かされている」ところ。


カロリーは、同量の小麦パスタより低く、ご飯よりは高めなのだが、食後の血糖値の上がりやすさを示した指標である「GI(グライセミックインデックス)値」が小麦パスタはもちろん、ご飯よりも低い。このGI値の低さや、食塩・食品添加物を使用していないお米100%の原材料であることから、健康志向の方、小麦アレルギーの方にも好評いただいているとのことだ。

小麦パスタとの調理における違いとしては、炒めて仕上げる料理の場合、「湯上げした後、ザルにとって水洗いをする」というところ。粘りのある麺なので、炒めているときに、麺どうしがひっつくことを防いだり、具や調味料を均一になじませるために、必要なんだそうだ。

このライスパスタ、上記メニューの他にも、“鍋のシメ”なんかにもオススメだそうで、戸叶さんによると、「特にカレー鍋とかキムチ鍋といった味付き鍋のシメに入れるととてもよく合います」とのこと。

ホテルや空港のレストランでスポットメニューとして試験的に導入されていたり、海外へも業務用規格の出荷が始まっているというこの『ライスパスタ』は、現在、全国のスーパーや食料品店、オンラインショッピング(ライスパスタ12袋分1セット)等で購入することができる。


ケンミン食品(株)さんのウェブサイトでは、ライスパスタを使った料理が紹介されているので、ここで調理法を参照したり、また、オリジナルメニューを自ら“開拓”するのも楽しいかもしれない。
(dskiwt)