ちょっと前から100円均一ショップで、こんな表示をよく見かけるようになった。
「ビニール傘のみ210円です」

大騒ぎされた原油高もいったん落ち着き、物価の高騰も今はやや緩和しているように見えるなか、それでも100円均一ショップでは、ビニール傘だけが他の商品の2倍の値段で売られていたりする。

これってなぜだろう? ビニール傘が原油高の影響をいちばん受けやすい商品だということ?

ある100円均一ショップの関係者に聞いてみたところ、こんな回答をもらった。
「確かに原油高の影響もありますし、一時、『100円ショップに傘がない』といったことが話題にされたこともありました。ただ、100円ショップは1時間1時間で状況がかなり変わるもので、状況によっては『あるところにはあるのに、ないところには全然ない』なんてことになってしまうんです」

ビニール傘は常に数万~数十万本という単位が市場に出ているそうだが、安定を乱したのは、秋の大雨の時期。一気に売り切れが続出したことがきっかけだという。
「100円ショップでも良い商品・売れ筋商品は量産しますが、通常は、このように売り切れとなるのは一瞬のこと。それをマスコミなどで取り上げることによって、過剰発注が起きたり、その反動で余ってしまったりするんですよ」

確かにビニール傘の生産量は一時より落ちているのが現状だというが、それでも「今は安定してきている」と関係者は話す。


一時的な売り切れ→過剰生産→売れ残り→生産量減少→値上がりという流れで、ビニール傘のみが高くなっている店もまだまだあるのかもしれないが、こうしたことが起こるのは、やっぱりビニール傘の需要が他商品に比べて非常に多いからこそ。

つい「なぜビニール傘だけ?」と気になってしまったけれど、あまり騒がず、長い目で見守ることが必要なのかもしれません。
(田幸和歌子)