学生時代、十数年前に買ったトースターレンジ。機能的にはまだ十分働けるが、見た目がひどい「鉄クズ」のようになってしまっている。


そこで、オーブンレンジを購入したのは良いが、重大なミスが発覚した。
トースターレンジがついていないのである。

ちゃんと確認しなかった自分のミスだが、仕方なくポップアップ型のトースターを別に買い、ロートルレンジと別れようとすると、今度はトースターが故障。
結局、いま、「故障トースター+鉄クズレンジ+オーブンレンジ」の3台に、豪邸でもあるまいに、信じがたいスペースを占領されている。

世の中には「トースター機能つきのオーブンレンジ」も一応存在しているわけだが、それにしても、なぜトースター機能がついてないオーブンレンジが多いのか。
あるいは、トースター機能がついていても、「時間がかかる」「トースターのように美味しく焼けない」「ひっくり返さないといけない」などの声は多く、私と同じように「トースター+オーブンレンジの2台持ち」「電子レンジはあたため専用で、オーブントースターをメインで使っている」といった人は多いようだ。


オーブンレンジとトースターは、なかなか相容れないものなのだろうか。シャープのお客様相談センターに聞いてみると……。
「オーブンレンジにはトースター機能がついているもの、ついていないものがあり、それは庫内容量によって分かれています」
どのように分かれているかというと、シャープの場合、自動トースト機能があるものは「庫内容量が20L以下」「上下ヒータータイプ」「丸皿使用のオーブン仕様」なのだとか。

つまり、早い話、「『大きいオーブンレンジ』にはトースター機能がついていない」ということだが、これはなぜ?
「庫内の大きいオーブンレンジの場合、食パンとヒーターの差がひらいてしまいます」
どういうこと?
「上と下にヒーターがついているモノですと、庫内が広すぎると、食パンとヒーターとの距離が離れていることで、火力が弱まってしまい、ヒーターの熱がパンまで届かないんです。手動でパンを裏返すと時間がかかりますし、こんがり焼けるまで待つと、それも時間がかかり、パンの水分が抜けてスカスカしちゃうんですよ」
庫内が広いと、その分、どうしても焼けるのに時間がかかり、水分が抜けて「美味しくふっくらのトースト」にはならないのだという。

ちなみに、オーブンレンジにトースター機能がついているかどうかは、カタログを見ればわかるそうだが、所要時間は書かれていないそうで、
「お店の人に聞くか、こちらにお問い合わせいただくのが一番だと思います」とのこと。

やっぱりトーストは、トースターで焼くのがいちばんなのね……。
ところで、ある飲食店のママは、オーブントースター、レンジのグリル、魚焼き網など、様々な方法でトーストを焼いてみた経験から、こんなアドバイスをくれた。
「トーストは実はフライパンで焼くのが、いちばん早いし、ふっくら焼けて美味い! 角をこがさないように注意が必要だけど」

朝の忙しい時間、美味しいトーストを短時間で食べたいですよね。
(田幸和歌子)