メガネをかけていると、いつの間にか左右同じ側のレンズの同じ場所が常に汚れてしまう……という経験はないだろうか。

特に手で触ったわけでもなく、メガネをかけているだけなのに、気づいたら、いつも同じ場所がぼんやり汚れている。


こういったことはよくあることなのだろうか。あるとしたら、どんな理由?
左右の眼球の凸面の違いによって、大きな目のほうだけレンズに触れてしまうとか? あるいは、左右の目によって呼吸量が違って、曇りやすくなるとか、あるのだろうか。
メガネスーパーに聞いてみた。

「レンズの同じ場所が汚れてしまうというのは、多くはないですが、考えられる現象です。レンズのどの個所に汚れがつくのかによって原因は様々です」(企画統括部・大森さん)

実際に汚れの付着部分を見てみないと断言できないものの、知らない間にレンズが汚れる原因はだいたい3つの理由が考えられるという。
「まず1つ目の理由は、睫毛が触れて汚れること。
通常、眼とレンズの距離は左右共に同じ距離になるように合わせますが(12mm位)、メガネのユガミにより、この距離が近づくことがあります。左右共に近づく場合と、左右のどちらかが近づく場合との2つのケースがあり、ご質問のケースですと、後者にあたると考えます」

レンズの距離が近づくと、油分のついた睫毛がレンズに触れ、汚れてしまうもの。その場合の解消法としては、眼鏡店での調整が必要なのだそうだ。
「また、オフィスワークの方に多いのですが、頬杖をつく方に、そのような現象が見られます。頬杖をついた際、指がメガネを押して眼との距離を近づけてしまいます。頬杖をつかないか、つく際にはメガネを外していただくと、汚れの付着を防ぐことができます」

続いて、考えられる2つ目の理由は、「涙が飛んで付着する」というもの。

「涙液は、まばたきによって飛ぶことがあります。特に眼に涙液が多いとき、たとえば、あくびをしたときやゴミが入ったときなどは飛びやすく、レンズに点々とした汚れ(油分)が付着します」
ただし、この場合は通常、左右ともに汚れが付着するもの。涙液が飛びそうな際、メガネを外すことで、汚れの付着を防ぐことができるという。

「3つ目の理由は、レンズの傷みです。一般的にレンズには『キズ・光の反射・水垢』を防止するコーティングが施されています。その中で『光の反射』を防止するコーティングが傷んできますと、汚れのように見えることがあります」
ただし、この場合は、常に汚れが見えるので傷だということがわかるそう。


メガネの正しい手入れが、解消法につながるという。そこで、メガネの正しいお手入れ方法を教えてもらった。

「まず水道水で洗います(べっ甲製のフレームは除きます)。その後、ティッシュで水気を取り、『ビューシィー』など、レンズクリーナーをつけて、ティッシュでやさしくふき取った後にメガネ拭きで仕上げ磨きをします」
ちなみに、メガネを洗う際、洗剤やお湯はコーティングをはがしてしまうことがあるので、使用しないほうが良いのだそうだ。

「メガネの同じ場所がいつも汚れる人」はぜひご参考に。
(田幸和歌子)