個人的な話で恐縮だが、自分は実年齢(33歳)よりも若く見えるらしい。24~25歳に見られることはザラだし、大学生だと思われることも珍しくない。
実は、星一徹(『巨人の星』)とタメだというのに……。まぁ、悪い気はしないんだけども。

ところで、JR東日本ウォータービジネスが開発した“次世代自販機”をご存知だろうか? 自販機の上部にあるセンサで、お客さんの属性(年代・性別)を判定。その上、季節や時間帯、気温に応じたオススメ飲料を表示してくれるという、まさに次世代の自販機。昨夏の初登場時には話題になったので、もしかしたら利用したことがある人もいるかもしれない。

私も、ずっと気にはなっていた。
そこで、伺ってみた。なぜ、このような自販機を作ろうと思ったのか?
「『自販機そのものの変革に挑もう!』とい思いから、次世代自販機を開発いたしました。この自販機のコンセプトは、『お客さまとのコミュニケーション』です。これまでの自販機が、誰に対しても、どの時間帯でも、いつも同じ“顔”だったのに対し、次世代自販機は、お客様のアクションに対してリアクションをするというのが特長です」(同社・担当者)

しかし、どうしてこのようなことが可能に?
「お客様の性別・年代については、『セグメントセンサ』によって分析しております。この技術を用い、100万人以上、500万枚以上の顔画像のデータを元に判断いたします」(担当者)
性別(2パターン)、年代(7パターン)、時間帯(6パターン)、気温(9パターン)の四要素を参考とし、計算上は最大756パターンのオススメ設定ができるという。

あと、面白いのは時間帯によってオススメ飲料は変わってくるという機能。
では、朝と夜ではどう違ってくるんだろうか?
「例えば、男性ですと、朝にはコーヒーをオススメし、夕方には栄養ドリンク、夜にはミネラルウォーターをオススメしたりしています。また、女性には紅茶、年配のお客さまには緑茶をオススメしたりしています」(担当者)

なるほど。となると、自分は何をオススメされるのか興味深い。そこで、実際に自販機の前に立って、飲み物を買いに行ってきました。

時刻は20時45分。場所は、渋谷駅の山手線ホーム。
仕事帰りのクタクタ状態で、思いっきりヒゲボーボー顔の私は、どう判断されるのか?
まず自販機の前に立つと、ディスプレイにはたくさんの飲み物たちが。「どれにしようかな……」なんて迷っていたら、4~5種類の飲料の右下に出現する「おすすめ」の文字表示!

ちなみに、私がレコメンドされたのはリポビタンD、ブラックコーヒー、ゆずれもん、緑茶といった面々。なんか、完全におっさんに見られてたからこその、このチョイスのような気がする……。「オマエのどこが童顔なんだよ」と、突きつけられたような。でも、仕事終わりで疲れ切ってたからかもしれないしな。
アドバイスに従い、素直にリポビタンDを購入させていただきました。
ファイト一発!

そんな、この次世代自販機。2010年8月に品川駅で2台設置されたのを皮切りに、現在では都内近郊に49台が設置されている(2010年5月末現在)。
「お客様からは非常にご好評をいただいており、通常のエキナカ自販機に対して約2倍の売上となっております。またツイッターやブログに、ご利用になった感想をコメントされているお客さまも多いようです」(担当者)

これらの好評を受け、次世代自販機は今後もドンドン増えていく。
「合計500台の設置を目指しています。東京近郊のJR東日本エキナカで設置を進めてまいりますので、500台程度設置されますと、東京近郊でJRをご利用いただいた際には、目にする存在になってくると思います」(担当者)

私に栄養ドリンクをオススメしてくれたように、買い手の好みや体調を気にしてくれる気遣いが、次世代自販機にはある。
まるで、心優しき友人のような。
これからも、よろしくお願いします。
(寺西ジャジューカ)