身振り手振りのポーズが得意な人に憧れる。“ヒョイッ”と肩をすくめてみたり、“パチン!”と指を鳴らしてみたり。
イカしてるな!
何しろ、言葉を吐かなくても、そのポーズが相手へ感情を伝えてくれるのだ。ポーズのひとつひとつが、表情になっているというか。

そしてこのアイテムを使えば、あのポーズがますます表情豊かに。というか、あのポーズの時のあの部分に、直接表情を持たせてしまう。
デザインユニット「wm,(ダブルエム)」が製作した『Thumbs up! stamp(サムズアップ・スタンプ)』は、“サムズアップ”する親指に表情をスタンプする専用ハンコである。

この親指を見てほしい。
もう、自分とは別個の生き物のような気がするではないか。独立した、ひとつの生命。『ど根性ガエル』のピョン吉みたいな。

親指に極上の愛嬌を装備させてくれる、このハンコを製作しようと思ったきっかけを、「wm,」さんに伺ってみました。
「実は、始めから『これを作ろう!』と思って製作したのではないんです。たまたま指に絵を描いて遊んでいたら、それが意外に上手く描けて(笑)」
その状態を写真に残そうと試みたら、いつの間にか心はハイテンション。
“お花の間からピョッコリ顔を出した親指”など様々なシチュエーションで撮影をし始め、しまいには「これを形にできたら、みんなと共有できるのにな~」という考えが浮かんだ模様。そうして、このハンコは誕生した。

ちなみに『Thumbs up! stamp』には、5人のお友達が用意されている。実は、それぞれにキャラクターが設定されているらしく……。
まず、「ちょっぴりおとぼけな草食系青年。顔が少しウド鈴木似?」という画像の彼。
名前を、Andrew(アンドリュー)という。それにしても、良い表情だよ。
当然、他の4人も粒ぞろい。「おめめぱっちり博士。実験で失敗しても『エヘへ』で万事オーケー」のニッコリ顔は、Bob(ボブ)。「笑い上戸な癒し系の女の人。
素の顔も笑い顔です」という紅一点はCathy(キャシー)。「ビジネスマンなのでスーツを着用。髪形もペンで書いた七三です」という“働く男”は、Michael(マイケル)。「最近めっきり見かけなくなった超短パンを愛用する、子供らしい男の子」はTimmy(ティミー)である。

「服装やシチュエーションでキャラクターはガラリと変わったりします。手にされた方が自由にキャラクターを決めたり、ストーリーを持たせてくれると、大切にしてもらってる感じがして嬉しいです」(「wm,」さん)
そう。
何も、上記のキャラ設定に縛られる必要はないのだ。この『Thumbs up! stamp』には、スタンプだけでなく「切りとって作る洋服」や「モール」等も同封されており、それらを用いれば、自ずとキャラが独り歩きし始めるのだから。
試しに、服や髪をキメてあげるといい。まるで、人格を持ち始めたかのような気がしてしまう。さっきまでは、完全に全裸でスキンヘッドだっただけに……。

そんな『Thumbs up! stamp』には、反響も続々と届いているとのこと。

「最初は“?”な表情の方でも、スタンプを押した途端に顔がパッと明るくなるんです。そして、コチラに向かって『イエイ~!』。これぞ、本当の意味で『Thmbs up!』な瞬間なんだと思います」(「wm,」さん)
お客さんによるこのリアクションは、日本も海外も一緒だそう。日本人も、自然と動きがアメリカナイズされてしまうのだろうか。

もし、このスタンプを使って特別な“サムズアップ”をやってみたい方は、「wm,」ホームページ内のショップリストを要チェック。価格は、1点で1,050円(税込み)となる。

ところで“サムズアップ”で思い浮かぶ有名人といえば、誰がいるだろう? 私の場合は、高島忠夫か高田延彦。偉大な先駆者たちだ。
でも、このスタンプさえあれば、彼らに負けず劣らずのゴキゲンな親指を披露できるに違いない。そう考えると、今ここで私も“サムズアップ”したくなった。
(寺西ジャジューカ)