中国で犬肉・猫肉の食用禁止へ―動物虐待禁止法案に盛り込む

2010年1月26日 10時32分 (2010年3月14日 00時12分 更新)
 26日付重慶晩報によると、中国で起草が進められている反虐待動物法案(動物虐待禁止法案)が、犬と猫を食べることを禁止する条文を盛り込むことが分かった。犬・猫肉の販売も禁止される方向だ。

 同法案は、専門家による「意見稿」の作成がほぼ終わったという。法案全体の主旨は動物に不必要に苦痛を与えることの禁止で、野生動物、経済目的の家畜、ペット類に対する虐待禁止や医療や運送にかんする条文も盛り込まれる。

 個人が犬・猫肉を食べたり販売した場合には5000元(26日為替レートで約6万6000円)以下の罰金と15日以下の拘留刑が科せられる。会社組織などの場合、1万-50万元(約13万2000-660万円)の罰金。

 専門家グループの首席メンバーとして「意見稿」起草作業に参加した中国社会科学院法律研究所の常紀文教授は「犬・猫肉の食用禁止が、国民に大きな影響をもたらすことはない」との見方を示した。「物質面で十分に豊かになり、犬・猫肉を食べる人は少なくなった」からという。

 カシミヤや羽毛関連の業界からは、「動物虐待禁止法が成立すれば、(動物愛護を理由に中国産を忌避する)貿易上の障害が、ひとつ取り除かれることになる」との声も出ている。

 一方、専門家の「意見稿」作成グループは一般市民から手紙や電子メール、電話による意見、約700件を受け取ったが、多くは同法制定に否定的だった。常教授によると「動物を大切にするより、まず人を大切にしろ」との意見が支配的だったという。(編集担当:如月隼人)

**********

◆解説◆
 同法制定により犬・猫肉の食用が禁止された場合でも、社会全体に対してどの程度実効性があるかは不明。犬・猫を多く食べるのは中国南部。北部に多い朝鮮族も犬肉を食べる食習慣がある。

 中国では「法治国家の樹立」をかけ声に、1980年代ごろから法律や行政関係のルール整備が盛んに行われてきた。しかし、欧米先進国の例を導入したため、中国の現状・水準では順守が難しいケースも多かった。

 そのような場合、「目に余る」事例だけが厳しい処分・処罰の対象になることが一般的。「ルールの現実的運用」ともいえるが、ルールそのものの権威が上がらず、「お上とよい関係を作れば、お目こぼしにあずかれる」との考えが強まったことで、賄賂(わいろ)が横行する一因にもなった。

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