薄煕来氏専門調査グループが設立?

2012年2月17日 11時35分 (2012年2月20日 00時12分 更新)
 中国では秋の政権交代を前に政治暗闘が始まっているが、目下の注目の的は薄煕来・重慶市党委書記の命運だろう。薄氏の右腕と言われた前重慶市公安局長の王立軍氏が失脚のすえ、成都の米国総領事館に保護を頼みにいったというニュースが流れて以来、薄氏の政治局常務委入りはすでにゼロ、と言われている。

 1989年の天安門事件で米国に亡命した何頻氏が創設したネットニュース「明鏡ネット」によると、前国家主席の江沢民氏の強い要望で薄煕来専門調査グループが設置されたという。

 調査グループには1999年から2002年まで重慶市の書記だった賀国強・中央紀律検査委主任と同時期四川省の書記だった周永康・中央政法委主任も参加。現政治局常務委は薄氏の問題は、2006年の上海市党委書記・陳良宇事件や1995年の北京市党委書記・陳希同事件よりも深刻であるという意見で一致し、「薄煕来氏は妻・谷開来夫人とともに権力を私利私欲のために利用し、政治局常務委入りを狙って、独立王国を掲げ、民意の示威を使って公然と中央権力に刃向かい、その傲慢(ごうまん)さを隠そうともしなかった」と批判しているという。

 一方、政治局常務委の9人のうち、薄氏と握手をして「打黒唱紅」を称賛し、比較的肩入れしていたのは次期国家主席の習近平氏。しかし訪米直前に、王立軍氏の米総領事館逃げ込み事件が発生し、完全にメンツをつぶされたかっこうになった。薄氏が陳希同氏のように、汚職などの実刑を受ける形で失脚するか、穏当に水面下でことが処理されるかどうかは、習氏の影響力にかかっていると見られているが、ヘタをすれば習氏にも火の粉がかかるやもしれない。

 一方、王立軍氏の後任として二月二日付けで重慶市公安局長となった関海祥氏は共産主義青年団(団派)であり、王立軍氏が米総領事館に逃げ込んだあと、王氏の身柄を引き取りに安全部から派遣せれた8人のメンバーも胡錦濤氏の信頼が厚い団派であり、薄氏の問題については結果的に胡錦濤氏有利に進んでいると観察されている。

 現在、薄氏は重慶市党委書記の座を維持したまま、カナダのハーパー首相との会談(11日)など予定の公務をこなしているが、中央メディアによる薄氏の公式報道は若干抑制されている。一方で、中央宣伝部および国務院新聞弁公室は薄煕来氏および王立軍氏の両氏に関するマイナス報道やうわさをネットや微博で流れることをあえて禁じておらず、まず世論による批判で薄氏の失脚を既成事実化させる方向のようだ。(編集担当:三河さつき

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