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中国女性をもっと美しくしたいー川井貿易社長・川井振氏

2014年11月25日 18時45分 (2014年12月1日 01時02分 更新)
曰く「カイコは死ぬまで糸を吐き続け、ロウソクは溶けて涙が乾く」、曰く「絹糸のように細く絹のように薄く、風が吹いてアオギリの葉が舞い落ちる」、曰く「蚕糸が髪にまとわりつくまでエンジュによりかかり夢を見る」……と。文学の伝承にとどまらず、蚕糸は中国人の生活と深く関わり、中国文化と密接に繋がってきた。多くの書物が収められている中国の正史、二十四史の一つである『三国志』の『魏志倭人伝』には、3世紀に養蚕が中国大陸から西日本へと伝わったという記載がある。それから推定すると日本の養蚕は少なくとも1700年の歴史を持っていることになる。自然条件、民族の風習などにより、養蚕業は日本各地で独自の発展を遂げ、次第に日本の特色を形成した。絹糸は一衣帯水の両国を結び付けたのである。現在では、日本の絹糸の応用はすでに服装のカテゴリーから抜け出し、時代の変化とともに化粧品や健康食品の分野にも応用されており、21世紀の新興「養蚕業」ともいえる盛況だ。この新産業の旗手であり、独自にVieMaxスキンケアシリーズを開発した株式会社川井貿易の川井振社長にお話をうかがった。人民日報海外版日本月刊が伝えた。
■厳格な多重チェックで品質を保証
―― 中国にルーツを持つ蚕文化は、世界でも「東洋の花」と讃えられています。蚕糸技術は日本に伝来してから、さらに広まり、近年は美容の分野でも応用されていますが、中日の蚕糸文化にはどのような相違点がありますか。
川井 中国で生まれた蚕文化は世界各地に広がっていますが、日本では一段と発展しました。以前、中国では蚕糸は服飾品にしか使われていませんでしたが、現在、日本ではさらに進んで医療や化粧品などに応用されています。
カイコが吐き出す絹糸は、餌と大きく関わっています。カイコには大きく2種類があり、一つはクワの葉を食べる桑蚕、もう一つはコナラやクヌギの葉を食べる柞蚕です。日本のカイコは中国と同じで、大部分が桑蚕であり、天然のものも大規模な養蚕によるものもあります。当社で使用している蚕糸は、先進的な科学技術や完全無菌環境によって人工養殖したカイコです。これは、高品質の化粧品と健康食品のために専門に養殖したカイコで、非常に高い品質が求められます。こうしたカイコの吐き出す糸は、ほかのカイコと比べて明るく、透明なのです。
―― 化粧品は健康と美に深く関係しており、安全と品質は非常に重要です。日本の化粧品はこの点では評判が良いですが、どのように製品の安全と品質を保証しているのでしょうか。
川井 日本では、化粧品の生産過程の一つ一つについて非常に厳格に管理しています。当社では養蚕から開始して蚕糸の加工まで、さらにエキスに至るまで、多重に厳しいチェックを行っています。化粧品生産ラインは作業場に入った時から始まり、専用のハイテクウエアに着替え、入る前に数回全身消毒します。第一作業場は原料加工で、完成後には広い範囲で数回検査します。その後第二作業場は一次製品加工で、各種の調整調合を行います。第三作業場は養成工程で、各種のチェックをします。第四作業場は完成品工程です。どの工程が欠けてもいけません。ですから、製品の品質はとても高いのです。
粗製乱造で、もし3000個あるいは1万個生産しようとしたら月内にすぐでき上がる、という国もありますが、日本ではそうはいきません。どのような製品でも必ず実験を経なければならず、製品を生産するまで最短で2カ月かかります。もし当社がある製品を生産しようとしたら、今日から少なくとも4、5カ月かかります。その間実験期間が2カ月は必要です。
そうなると従業員に対しては厳しい基準が必要になります。まず専門知識を学び、その後工場で最低1年は専門トレーニングを受けなければなりません。日本では生産過程と従業員に対する厳格な多重チェックが行われるので、化粧品の安全と品質が保証されるのです。
■コラーゲンよりも高い保湿、保水機能があるシルクセリシン
日本の化粧品産業を支える中国市場
―― 現在、全世界の化粧品市場は多くの商品で百花繚乱の状態ですが、激烈な競争のなかで、どのような会社が生き残り、発展していくのでしょうか。
川井 最も重要なのは製品の品質保証です。いくらPRしても品質がよくなければ、長期的には消費者に認められません。ですから会社が出す一つ一つの製品は、名品中の名品でなければなりません。品質は企業の生命といえます。
特に化粧品は皆さんの顔につけるものですから、もし問題が出てくれば、その結果は想像もつきません。現在、一部の化粧品会社は廉価販売の戦略をとり、価格の競争力によって自社の製品を販売していますが、品質にはあまり注意を払わないことも多いのです。これは最も憂慮される問題です。また、一部では偽物や品質の悪い製品を作ったり偽ラベルの製品を作ったりしていますが、金もうけのためにリスクを冒すのは化粧品生産ではあり得ないことです
当社では全面的に製品の品質をコントロールするために、外国から買うことでコスト減したりせず、容器、原材料、付属品、加工などすべて日本産にしています。生産者が安心であれば消費者も安心できます。
―― 中国は世界最大の新興市場で、各国企業の注目を集めています。中国市場は日本企業のグローバル戦略推進に対してどのような役割を持つでしょうか。御社は今後中国でどのように事業展開していくつもりですか。
川井 経済的に急速に発展している中国は人口が多く、消費者群も大きい巨大市場です。中国の一般庶民の消費概念はまさに変化しつつあります。以前の中国では衣食のためにお金を使っていましたが、現在では生活条件の改善に伴い、考え方も変化しており、さらに「メンツ」のため、消費レベルや金額も急速に向上しています。中国に最高の製品を提供できる企業が中国で最大の業績を上げられるのです。
現在、中国市場は日本の化粧品と健康食品を支える役割を果たしているといえるでしょう。みなこの点を見て、ビジネスモデルを調整し続け、さらに多くの中国の消費者を引き付けています。
当社は今、消費者が迅速に中国語のサイトから直接購入できるように端末での販売を開発中です。多くのユーザーがわざわざ日本の当社に来て、大量の製品を中国の友人や家族のために買って帰られています。その方たちは中国で当社の製品を知り、使用後の効果が高く、安心であると感じ、わざわざ日本に買いに来られるのです。
今後、日中関係が改善されれば日本の化粧品と健康食品の販売は爆発的に増加すると思われます。中国は日本にとって最も重要な市場であり、中国の消費者は日本企業にとって最も重要なユーザーです。ですから私は企業家として、日本政府には実質的な措置をとり日中関係の改善に取り組んでほしいと思います。それが日本企業と国民の根本的な利益に繋がるのです。
■VieMax スキンケアシリーズ
良い化粧品は価格競争に頼らない
―― 中日両国の化粧品業界の経営理念、ビジネスモデルの違いはどのような点でしょうか。
川井 日本の化粧品販売は店舗がメインですが、中国ではネットでの売り上げが大きいので、今日本の化粧品メーカーもネット販売を重視し始めています。例えば、楽天、ヤフーなどのショッピングサイトには多くの化粧品メーカーが出店していますし、さらに日本の化粧品メーカーの多くは自社のウェブサイトでネット販売を展開しています。これは日本の化粧品メーカーがより良い販売方式を模索しているということです。
比較すると、日本の化粧品会社はブランドを通してのハイエンド路線を重んじますが、中国では価格によるローエンド路線が重視されています。市場を席巻するため、中国企業は価格戦争に打って出ますが、日本の化粧品では定価からの値引きはまれです。さらに中国では同じ製品でも時期や販売場所による価格差が大きく、商品によっては短期間で半額になるものさえあります。これは消費者には快く思われないでしょう。日本には基本的にはこのような問題はありません。販売量から見ると、中国の一部の化粧品の販売量は驚くべきものがありますが、利益率は日本のメーカーにはるかに及びません。
しかし、これは国情によって決まるものです。一つのブランドを育てるには、巨大なマンパワーと物資が必要であり、長い時間がかかります。中国の化粧品業は日本よりも遅くスタートしたので、さらに発展、成熟していく段階が必要です。近い将来、中国の化粧品業界は成熟段階に入り、さらに成果を上げるだろうと確信しています。
取材後記
インタビューを終えてから古都・京都を訪れ、川井貿易の化粧品研究所と製造工場を見学させていただいた。現場で働く人たちがみなマスクをして顔も見えず、整然と仕事をしているのを見て大変だなあと感じたが、川井社長は「従業員が仕事中に“顔がない”状態だからこそ、多くの消費者の“顔”がきれいになるのですよ」とユーモラスに語ってくれた。
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<筆 者> 蒋豊。1959年6月北京生まれ。88年に来日し、94年九州大学院卒。現在は在日華人向けの中国語紙「日本新華僑報」編集長で、「人民日報・海外版」日本月刊編集長。中国の複数のテレビ局で特約ジャーナリストとしても活躍する。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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