中国メディア・捜狐は21日、日本人のみならず中国人を含む外国人からも広く愛される日本料理の「精髄」が一体どこにあるのかについて論じる文章を掲載した。

 文章は、日本料理について3つの特徴から説明。
1つ目は「量の少なさ」を挙げ、各地の料理が従来は豪華、高級を前提条件とし、大きな円形の皿に大量に料理が盛られていたのが、日本料理の影響を受けたことで改められていったと説明。日本料理はさまざまな色や形の皿に少量の料理を盛り付ける点に特徴があるとした。

 2つ目の特徴に挙げたのは、「食材」だ。日本国外で日本料理を食べる人は「日本料理の食材は独特かつ高級なもの」という認識を持っているかもしれないとしたうえで、実は「日本で食べられる日本料理の食材は『季節のもの』であり、その季節に大量に手に入る食材を使っているのである」と説明。この点が非常に重要であるとしている。

 そして3つ目の特徴は「日本料理が支配階級ではなく、庶民の食べ物から発展した」という点。
フランスや英国、中国そして韓国における最高級の料理は、貴族や富豪のために巨大なテーブルいっぱいに盛られたぜいたくなものだったが、「この法則は日本では適用されないのである」解説した。

 そのうえで、17世紀後半から19世紀前半の200年間、すなわち江戸時代に日本では庶民文化が花を開き、演劇や絵画、文学、茶道、曲芸などとともにグルメも庶民文化の中心となったと説明。庶民はグルメガイドを通じてすしやそば、天ぷらなどの料理に舌鼓を打ち、こうして発展した料理を武士や貴族、富豪たちも味わうことになったとした。

 文章はさらに、日本料理が世界に広まった理由の1つとして「経済的にみても、健康面で見ても非常に合理的で、今の世界における市民社会にちょうどマッチしている」点を挙げた。そして、米国やフランスのレストランにおける料理の量が減ったという点からも「日本料理は世界に対して大きな貢献を果たしたと言える」と結んでいる。

 確かに、天ぷらも寿司もうなぎも、もともとは庶民の食べ物であり、いわゆる「宮廷料理」に根源を持つグルメとは一線を画すものである。
もちろん日本のお殿様だって不味い物を食べていたわけではないだろうが、それ以上に庶民の食べ物が文化的にも豊かになっていったということだろう。こういった話になると思い浮かぶのは、「目黒のさんま」という落語の演目に出てくるお殿様なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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