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中国主導の国際秩序に警戒感も、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」、各国の出方見守る日本政府

2017年5月20日 07時00分 (2017年5月22日 00時00分 更新)

中国の習近平国家主席が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」。日本政府には中国主導の国際秩序づくりへの警戒感が強く、当面は各国の動向を慎重に見極める構えだ。資料写真。(Record China)

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2017年5月19日、中国の習近平国家主席が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」。14,15日に北京で開かれた国際フォーラムに日本政府は自民党の二階俊博幹事長を派遣した。しかし、中国主導の国際秩序づくりへの警戒感は強く、当面は各国の動向を慎重に見極める構えだ。

ロシアのプーチン大統領やトルコのエルドアン大統領ら29カ国の首脳や100カ国以上の代表が出席した「一帯一路」に関する国際フォーラムで、習主席は「開放的で皆が利益を得るグローバル化を実現しなければならない」と自由貿易体制の推進を主張。「一帯一路」を推進するために設立したシルクロード基金に1000億元(約1兆6000億円)を追加拠出することなどを明らかにし、「中国の貢献」をアピールした。

習主席は15日の国際フォーラム閉幕後の記者会見で、「各国の意見を集約し、一帯一路構築の方向性が明確になった」と満足げに宣言。270以上の項目を盛り込んだ成果文書もまとめられ、中国が受注したインドネシアの高速鉄道建設向けの融資契約や、中国とタイの原子力協定など、具体的な協力が列挙された。

二階幹事長は16日に習主席と会談し、安倍晋三首相の親書を手渡した。日本メディアによると、この中で安倍首相は日中両国首脳が定期的に往来する「シャトル外交」を呼び掛けるとともに、戦略的互恵関係の考えに沿って、あらゆる分野での安定的な友好関係の構築を目指す意向を表明したという。

その一方で菅義偉官房長官は15日の記者会見で「一帯一路」について「地域の持続的な発展に資するものになるかどうかを含めて、政府として注視していきたい。具体化していくときにどうなっていくかを見極めたい」と述べるにとどめた。日本政府が慎重なのは関係各国間の足並みが必ずしも一致していないためだ。

例えば、中国に次ぐ人口大国のインド。パキスタンと領有権を争うカシミール地方が「一帯一路」の事業「中パ経済回廊」の対象に含まれていることから、「国家主権と領土保全への懸念を無視した計画を受け入れる国は一つもない」と反発し、直前に参加を拒絶した。

さらにAFP通信などによると、国際フォームで貿易に関する分科会に参加したドイツ、エストニア、ハンガリーなどの欧州連合(EU)加盟国は文書への署名を拒否した。物資調達の透明性や環境基準への懸念について、中国側から十分な説明がなかったためとされる。

国際フォームで習主席は他国への内政干渉や発展モデルの押し付けを否定。「一帯一路で地政学的な駆け引きをする意図はない。協調的に共存する大家族をつくりたい」と、中国の拡張主義に対する各国の警戒感を念頭に融和的な姿勢を強調したが、日本を含めた各国の懸念解消には至っていないようだ。(編集/日向)

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメント 2

  • 匿名さん 通報

    露助はともかく、ヨーロッパへの道の最要所である独が出方伺いで付かず離れず、では先行き暗いですな。少しでも雲行き怪しくなったら独は即刻退くだろうし、独が退いたらもうどうにもならんよね。

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  • 匿名 通報

    一帯陸軍侵略路ってか。インドにとっては、海軍より強力な中国陸軍は怖いわな。

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