【関連】『ナミヤ雑貨店の奇蹟』インタビューの様子
「人生は一期一会だなと改めて感じられる映画。人と人との繋がりとか、人の温かさとか、そういうものを素直に感じられると思います」と落ち着いた様子で語る山田。施設で共に育った3人組を演じた彼らは、それぞれが初共演であり、互いの印象を次のように話す。
「虹郎はすごく堂々としてましたね。撮影当時19歳だったんだけど、19歳とは思えない佇まいの人だなという印象でした。寛ちゃんは見た目とは裏腹に、すごく人見知りの、可愛い弟みたいなタイプでした(山田)」。
「山田くんに対しては、まず『山田涼介がいる!』と思いました(笑)。最初は挨拶しただけで、現場に入ってからよく話すようになりました。寛 一 郎とは共通の知り合いが多くて、会ったことはなかったのですが、仲間意識みたいなものはあった。無口だと聞いていたのですが、寛 一 郎から来てくれて。お、意外だ、と(笑)(村上)」。
「山田くんはいい意味でちゃんと壁のある人で、ホッとしました。
また、その演出に多くの俳優たちが影響を受けたと語る廣木監督について、村上が「山田くんの泣きのシーンで、長いシーンのテイクを何度も重ねていました。」と回想。俳優として新たな感覚を得たシーンを山田が述懐した。
「1回で泣けなかったのは初めてでした。気持ちが繋がっている前のカットから撮影にスパンがあったんです。監督からは『大事なシーンだから』とずっと言われていて(苦笑)。プレッシャーにやられたというか。廣木監督ってモニターを見ずにカメラの横に立つんですけど、その時も僕の目の前にいて、最初は監督の姿が目に入ってたんです。それが休憩をはさんでやった最後は、監督が目に入らなかった。
そして観客にメッセージを送った。「奇蹟を信じるとか言ったりするけど、奇蹟っていうのは、自分で手繰り寄せるものだと思うんです。それを、この映画で感じてもらって、自分を見つめ直す時間を作ってもらえたらなと思います」。(取材・文・写真:望月ふみ)
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は9月23日より全国公開。