今から3年ほど前、フジテレビでかつての人気ドラマ『ショムニ』の新シリーズ『ショムニ2013』が放送されたことを覚えているでしょうか?
主演の江角マキコ以外は、前作からキャストを総入れ替えして臨んだ本作。人気ドラマシリーズ10年ぶりの復活とあって、初回こそ18.3%の高視聴率をたたき出したものの、その後は、回を追うごとに低迷。

既視感満載のプロット、ショムニメンバーをはじめとする出演俳優陣のパワー不足、30代後半でミニスカを履く江角マキコの痛々しさなど、様々な要素が相まって、最終回では、初回から10%以上ダウンの7.8%を記録するという、典型的な話題先行型のドラマと相成ったのは記憶に新しいところです。

『ショムニ2013』で姿を現さなかった女優


そんな、残念な結果に終わった『ショムニ2013』にも、ハイライトと呼べるシーンがありました。それは、記念すべき初回放送。京野ことみ、櫻井淳子、戸田恵子、高橋由美子からなる、初代ショムニメンバーの4人がゲスト出演した時です。最後の放送から10年経ったとは思えないそのままの姿に、ネット上では「今作もこのメンバーでいいのに!」との声が相次ぐ事態に。
旧メンバーの存在感と愛されっぷりが際立つ一幕だったわけですが、一人だけ姿を現さなかったメンバーがいます。それは2010年に女優を引退した宝生舞です。


宝生舞の女優デビュー作 TOKIOの長瀬、浜崎あゆみとも共演


『ショムニ』という作品は、江角や京野をはじめ、彼女たちへ嫌がらせをする人事課の高橋克実など、多くの出演俳優にとってステップアップのきっかけとなったドラマだったのですが、宝生舞もそんな本作によって名声を得たうちの一人。

彼女の女優としてのキャリアは古く、1993年、TOKIOの長瀬、浜崎あゆみ、菅野美穂など、後に一線級となるタレントたちを多数擁した、テレビ朝日放送のドラマ『ツインズ教師』に出演したところからスタートします。当時、まだ16歳の高校2年生。あどけない表情の中にどこか憂いを帯びた雰囲気を漂わせる、ミステリアスな美少女といった佇まいでした。

『ショムニ』で全国区の人気を得た宝生舞


女優デビュー以降、順調にドラマ出演などでキャリアを重ねていき、1998年、『ショムニ』メンバーに抜擢されます。ここで彼女が演じたのは、主人公・江角演じる坪井千夏の幼馴染・丸橋梅。頭脳明晰で上昇志向、超がつくほど生真面目、それでいてどこか愛嬌のあるキャラクターは宝生のイメージと重なる部分も多く、これが当たり役となり、全国的な人気を手にするのです。
このときでも、21歳。
確かな演技力と美貌を兼ね備えた有望女優の将来は、明るいはずでした。

稲垣吾郎とのパリ旅行が激写された宝生舞


そんな彼女に一つの転機が訪れます。SMAPの稲垣吾郎との破局です。もともと、1996年に舞台で共演したのをきっかけに交際していたという2人。同年6月には写真週刊誌『Friday』に3泊5日パリ旅行をすっぱ抜かれています。
成田空港での待ち構えていたFriday取材陣に対して稲垣は「テレビの収録の合間に5日間、休みがあったんで友達と…ね。ボクはこういう立場だからある程度、撮られても仕方がないけど彼女は可哀想だから」とコメント。
“友人”としての宝生の気遣う発言ですが、激写されたリゾートホテルのプライベートビーチでくつろぐ姿やコンパクトカメラでお互いを撮影し合う様子などは、どこからどう見てもカップル。
以降も2人の恋人関係を続いたらしいのですが、2001年、宝生が稲垣を振ったことによって終焉を迎えたようです。

テレビの露出が減った宝生舞、ジャニーズの圧力が原因?


これに怒ったのがジャニーズ事務所。大切な看板タレントの商品的価値を、恋愛によって損なわせただけでなく、自ら関係を絶った宝生を許しませんでした。ジャニーズサイドはテレビ局に圧力をかけ、その結果、彼女は芸能界を一時的に干され気味になったというのです。
ことの真相は定かではありませんが、実際に『ショムニ』以降、かなり露出が減ったのは事実。
その後も人気が回復することなく、2010年に女優業廃業を宣言した宝生。ちょっとのきっかけで歯車が狂うと、すぐに消えてしまう……。芸能界の怖さを物語る事例と言えるでしょう。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonより私はゴミ箱になりたい