「違法ダウンロード罰金法案」成立へ?「規制三原則」を

2011年12月9日 20時00分 (2011年12月12日 11時27分 更新)
G・JOEⅡはかく語りき
我々も、どこかであのロシア民謡のメロディを耳にしたことがあるはずだ。その題名は「НЕДЕЛЬКА(1週間)」。その名の通り、ロシア人がどのように1週間を過ごすのかを歌った曲である。

日曜日に市場へ出かけ 糸と麻を買ってきた/月曜日にお風呂をたいて/火曜日にお風呂へ入り/水曜日にあなたとあって/木曜日は送っていった/金曜日は糸巻きもせず/土曜日はおしゃべりばかり/恋人よこれが私の一週間の仕事です


呑気な気質を示すというより、ロシア大地の広大さや若い娘の働きぶりを皮肉った滑稽詩である。が、もっとも、21世紀初頭の先進国では、糸と麻を買うことも、あなたと会うこともおしゃべりする事も、お風呂を炊くことですら、すべてパソコンとインターネットが可能とする時代である。

7日、自民公明両党がインターネットを通じた音楽や映像ファイルの違法ダウンロードに対し、2年以下の懲役か200万円以下の罰金を科す法案をまとめた事を明らかにした。来年の通常国会で成立を目指す予定で、野党は商業権を犯す違法ダウンロードの駆逐へ本格的に乗り出す構えだ。

が、足りない。定義、哲学が足りないのである。そもそも"違法ダウンロード"の領域とは、具体的に如何なる行為を示すものだろうか。現在販売中の人気作品をダウンロードする行為は違法と言えそうだが、例えばユーチューブ上に掲載された映画予告や音楽ビデオをダウンロードする行為、サイト上の画像をダウンロードする行為はどうか。悪質な文化盗用が顕著な海外からのアクセスに対する効力はないのか。そしてこうした魑魅魍魎のネット世界への規制を、本当に確実に実行出来るのかどうか。

筆者の考えを述べたい。筆者は以前述べた「制約自由の第二原則」という原則に則り、違法ダウンロード規制の原則を以下のように定めるべきと考える。

(1)創作者意向規制:創作者から申し立てのある当該作品そのものを、迅速かつ包括的な規制対象へ指定する
(2)市場流通規制:市場へ流通している作品そのものを、原則的に規制対象へ指定する
(3)制約規制緩和:創作者が作品の広報など公共的に配信している断片的なデータに関しては、他人に物理的・精神的危害を加える使用目的、及び許可のない二次利用を使用目的としない限り、概ね寛容な入手を許可する


政府は市場的、商業的な観点から法案を作ろうとしている。しかし、真に保護すべきは「創作者」という才能である事を認識しなければならない。違法ダウンロード規制論議は権利や利益の争奪戦ではなく、才能の保護という観点から行って欲しい、と筆者は真に考える。

【記事:G・JOEⅡ】

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