イグ・ノーベル賞常連国・日本 22年間で17回受賞

2012年12月25日 11時45分 (2013年1月21日 09時40分 更新)
2012年を振り返ると、嬉しいニュースとしてまず頭に思い浮かぶのが、山中伸弥教授のノーベル賞受賞。人類史をも動かしかねないiPS細胞の発見には名誉あるノーベル賞が送られたが、一方、「人を笑わせ、考えさせた」業績に贈られるのが「イグ・ノーベル賞」だ。一見バカバカしくてどうでもいい研究を表彰するこのイグ・ノーベル賞とは、いったいどのような賞なのだろうか?

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別名“裏ノーベル賞”ことイグ・ノーベル賞は、1991年にマーク・エイブラハム氏によって創設された国際賞。今年は、日本のおしゃべり妨害装置「スピーチジャマー」が音響賞を受賞して話題になったこの賞は、毎年のようにおもわずニヤリとさせられるような研究に賞が贈られるが、受賞者の思いはあくまでも真剣で、いくら笑える研究でも、真面目に取り組んでいないと受賞はできない。

そんなイグ・ノーベル賞の最大の見せ場は、ハーバード大学のサンダースシアターで盛大に行われる授賞式。受賞スピーチでは、制限時間(1分)を過ぎるとステージ脇から出てきた少女が「飽きちゃった~」と連呼し、会場を埋めつくす1200人の聴衆がステージに紙飛行機を投げ続け、ノーベル賞受賞者とオペラ歌手が仲良く共演し…と、お祭り騒ぎ! 

受賞者に授与される認定証とメダルは、本物のノーベル賞受賞者のサイン入りだが、メダルはポップコーンを作る薄いアルミ紙でできたもの、賞品も「ハーバード大学の“空気”入り紙パック」など手作り感満載で、研究も授賞式も、下らないことに全力投球する姿勢が貫かれている。

日本は、賞の創設以来、22年間で17件もの受賞歴を誇るイグ・ノーベル賞優等生で、これまでにも、「兼六園の日本武尊像に鳥が寄りつかない理由」「ウシのフンからバニラの香り成分を抽出」「鳩にモネとピカソを見分ける訓練」といった業績により、日本人が賞を受賞している。

毎年5000件以上ものノミネートがあるこの賞は、本家・ノーベル賞と違って自薦・他薦を問わず“実在する人物”というのが唯一の条件。エントリーは、候補者の個人情報と詳しい業績レポートを郵便かeメールで送れば完了だが、選考委員会はよく資料を紛失・処分してしまうらしいので要注意だ。

◆ケトルVOL.10 (2012年12月15日発売/太田出版)

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