当てにならないアマチュア選手の記録

 毎年行われるプロ野球ドラフト会議。プロ球団から指名されたアマチュア選手たちが続々と豊富を語っている。

指名時には高校通算○本塁打、最速○キロの直球、50メートル○秒の俊足など、将来を期待させるような文言が各紙に踊るが、これらのアピールポイントは果たして本当なのだろうか?

 まず記憶に新しいところだと、昨年プロ入りしたソフトバンクの東浜巨。東浜はプロ入り前は最速152キロの直球を持つ本格派と言われていたが、プロ入り後の最速は147キロ。今では打たせてとるタイプのピッチャーになっている。手としては、そこそこの成績を残しているが、ドラフト前の評判とのギャップはかなりある。

 高校通算本塁打という記録もあてにならない。歴代4位の通算86本を記録し、1999年に西武に入団した大島裕行は打者として大成できず、プロ通算23本で引退した。

そもそも高校通算本塁打というのは練習試合など、非公式試合もカウントされるようで、いくらでも水増し可能なのだそうだ。また今宮健太(ソフトバンクホークス)や東出輝裕(広島カープ)のように、高校時代にスラッガーとして名を馳せた打者も、プロ入り後は器用な技巧派となるケースも非常に多い。

 50メートル走のベストタイムも眉唾だ。2001年のドラフト会議でその俊足っぷりが買われ、ロッテに5位指名された早川大輔。そのスピードは50メートルを5秒3で駆け抜けると言われていた。しかし50メートル走の世界記録は5秒56。

いくらなんでも数字をもり過ぎである。

 ドラフト前後に報じられる選手の前評判は本当にあてにならないことがわかる。ドラフト下位指名選手が活躍することも多く、5年後10年後になってみないと獲得選手の本当の価値はわからないのかもしれない。
 もっとも、野球界は前評判通りに活躍する選手の方が少なく、スカウトのレベルを疑ってしまうことも多々あるのだが。

(文・角刈りハーブティー)

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