警視庁は2007年から管内で発行してきたICチップ内蔵の運転免許証を有効活用するという。10月28日の発表によると警視庁は、交通違反取り締まりの際に、交通反則告知書(通称:青キップ)を発行する携帯端末を全国で初めて導入する。

ICチップが埋め込まれた現在の免許証の情報を読み取り、反則キップを迅速に発行。GPS(全地球測位システム)位置情報と合わせてデータを収集・分析して、違反や事故の防止にも活用する。


 専用携帯端末は現在開発が進められており、2015年末をめどに東京都内の警視庁所轄署などに約4700台を導入する計画だという。


 時速30km未満のスピード超過や信号無視、車線変更違反など比較的軽微な交通違反は、見つけた警察官がその場で「交通反則告知書」を発行。違反者は期日までに反則金を納付すれば起訴されない。


 警視庁によると、新たに導入する専用携帯端末は、IC免許証をかざすだけで氏名、住所、免許証番号などを読み取り、GPS機能で違反場所も自動的に記録する。

違反内容などはタブレット型PCのようにタッチパネル方式で入力し、プリントアウトした反則切符を違反者に渡す。


 現在の交通違反取り締まりでは、警察官が違反者の免許証を見ながら氏名などを確認し、手書きで青キップを作成している。このため発行までに平均で約20分程度の時間を要しているが、専用端末の導入で10分程度に短縮できる見込みだという。


 端末で記録した違反者や違反内容などの情報はデータベース化して管理する。こうしてデータベース化した情報を分析することで、違反や事故が発生しやすい場所が特定しやすくなる。データベースから得た情報を分析し、特定した場所で重点的に取り締まりを行なうなど、事故防止や安全対策のために利用できる可能性もある。


 しかし、よく考えるとこのようなシステムは、iPadに専用アプリをインストールすれば可能になりそうな気がする。まぁ、個人情報の管理などに問題を残すので専用端末なんだろうが、ちょっと遅すぎの感は否めない。


 現在のIC免許証は偽造防止などの目的で2007年から導入されたが、交通違反取り締まりに利用するのは初めて。警察庁は「警視庁で携帯端末(導入)が成功すれば、その他の道府県警にも導入を促したい」としている。(編集担当:吉田恒)