人間なら誰でも感じる「怒り」は、やっかいな感情です。

というのも、むやみに怒りっぽい人は周囲から人がいなくなってしまいますし、逆に怒るべき時に怒れないと、優柔不断に見えたりいい人ぶっているように見えてしまいます。

■人間関係を壊す怒り 4つのタイプ

さじ加減とタイミングを間違えると人間関係がうまくいかなくなってしまうのが「怒り」。

『いつも怒っている人も うまく怒れない人も 図解アンガーマネジメント』(戸田久実著、安藤俊介監修、かんき出版刊)によると、特にこんな傾向がある人は、怒りで人間関係が壊れやすいといいます。

・強度が強い(コントロールできないくらい強い怒りで、一度怒ったらとまらない)
・持続性がある(根にもって、何度も思い出して怒る)
・頻度が高い(頻繁に腹を立てる)
・攻撃性がある(相手やまわりを攻撃したり、物を壊す)

こういう怒り方をする人が、周囲から腫れ物扱いをされたり、怖がられたり、うんざりされてしまうのは当たり前ですよね。

■「怒りを伝える言葉」をいくつ持っていますか?

だからこそ、人間関係が壊れたり、仕事や家庭がうまくいかなくなったりしないように、「怒り」を自分でコントロールできるようになる必要があります。

やたらに怒るのもいけませんが、怒らずに溜めこむのもよくありません。この本のタイトルになっている「アンガーマネジメント」とは、怒りをコントロールして、適切なタイミングで適切なだけ怒れるようにするための考え方でありスキルです。

たとえば、「怒りを伝える言葉の引き出しを増やす」というのは、そのための一つの方法です。

「ムカつく!」しか怒りを表現する言葉がないと、自分がどの程度怒っているのか、相手に正確に伝わりません。結果、相手に気持ちが理解されず、「なんでわからないんだ!」とさらに激しい怒りを感じることになってしまいます。

自分の怒りの程度を正確に理解できるよう、言葉の数を増やすことは、人間関係を壊さないように怒りを伝えるために、日ごろから取り組むべきことかもしれません。

■自分の「怒りの境界線」を相手に伝える

また、「怒るか怒らないかの境界線を相手に伝える」ことも有効な方法です。
人それぞれ価値観が異なるように、怒るポイントも一人ひとり違います。

自分が何を大切にしていて、何をされたら怒りを感じるのかを相手に伝えておくことで、余計な摩擦は減るはず。

自分の常識が世界の常識とばかりに、「そんなことくらい、言わなくてもわかるよね」という態度では、いつまでも他人の態度や行動にイライラしつづけることになってしまいます。

「アンガーマネジメント」の考え方と具体的な取り組みは、本書のなかで図を交えて詳しく紹介されています。

また、瞬間的な怒りをどう収めるか、怒りをどう扱うかといったことについてもつづられていますので、ここで挙げた「ダメな怒り」に心当りがある人は、大きな失敗をする前に参考にしてみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)